ニューノーマル時代にさらに進むデジタル化のポイントとは

オフィスや工場で
AIの活用が進む

 5Gの通信が本格的に普及すれば、大きなデータを高速でやり取りしやすくなる。スマートグラスやWebカメラなど画像を用いたシステムをはじめ、ビジネスを支える業務システムをより容易に構築することができるだろう。

 スマートウォッチもビジネス現場に入り始めている。例えば、体温や脈拍といったバイタルデータを取得して健康経営の促進、従業員への連絡や情報共有に役立てるといった使い方が考えられる。工場での用途も広い。機械などへの巻き込みを避けるために、工場ではストラップ型のICカードが使えないケースが多い。スマートウォッチならICカードを代替した上で、通信によりさまざまな機能を持たせることができる。

ニューノーマル時代にさらに進むデジタル化のポイントとは図2 職場の「三密」をカメラとAIで検知
Webカメラの画像を基に、会議室などが密になっていないかチェック。人数や滞在時間、互いの距離などをAIが判定し、問題があれば参加者や管理者などに通知する。会議室や喫煙室などの狭い空間に設置するケースが多い
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 これらはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用した例だが、さらにいま話題のAIも多くの企業のビジネス現場で実装されつつある。

 コロナ禍で注意が払われるようになった行動様式に、密閉・密集・密接を避ける「三密回避」がある。オフィスや工場での三密を回避するために、AIを用いた画像解析を活用する方法もある(図2)。Webカメラを使ってオフィスや工場などの中で人を検知し、一定の密度を超えるとアラートを通知する。さらに、顔認識の仕組みと組み合わせれば、特定人物の所在確認などにも活用することも可能だ。例えば、役員の居場所が分からず社内を探しまわる、といったムダな時間を減らすことができるだろう。

 AIの用途は多様だ。ビッグデータを用いた在庫最適化、故障予知などの分野でもすでに適用が進んでおり、最近はエッジコンピューティングにおけるAI活用も行われている。

 センサー類の進化により、工場の設備などで生成されるデータ量は激増している。すべてのデータをクラウドに集めると容量オーバーになりかねず、ネットワークでやり取りする時間もかかる。そこで、データの発生源に近いエッジに置いたAIにより、いわば「現場判断」の処理を行うというアプローチだ。リアルタイム処理ができるのでロボットなどの安全性を高められるとともに、クラウドへのデータ送信量の抑制にもつながる。

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