テストを取り入れて
ビジネス価値を高める

 同社のサービスを利用するメリットは大きく四つ考えられる(図2)。第三者視点でソフトウエアの品質を可視化し、柔軟な改善提案を通じてコストの最適化が可能。上流工程からテスト専門のプロフェッショナルの視点を加えることで、ソフトウエアの成果を最大化できる。

 実際に、自社で開発するソフトウエアの品質について、客観的な視点からの検証を求めるニーズも増えている。「品質管理の専門部署を持っているような大企業からの依頼も増えています」と松原COO。業務のコアとなる基幹システムを中心に、“品質のセカンドオピニオン”を求める声が増えているのだ。

 例えば、あるECサイトでは、同社の入念なテストで二重決済の不具合が発見された。そのサービスを利用する主なユーザー層の年齢や属性を考慮し、「より多く誤操作が起きるのでは」という同社の「ユーザー視点」と「テストのプロ視点」がシステムトラブルを防いだ。

 別のケースでは、不具合ではなく、ユーザーの利便性を向上させる同社の提案がスマホアプリの価値を高めることにつながった。「非常時に使うアプリだったのですが、『それなら、より直感的なユーザー体験にこだわったUIを設計して、ウエアラブルデバイスにも対応しましょう』と、おせっかいな提案までしました」と松原COO。この提案が採用され、アプリの社会的な評価を高めることになった。

 クアーズが現在目指しているのは「バグをなくして、モノづくりを加速させること」だ。同社のようなユーザー視点を持った品質管理とテストのプロフェッショナル集団をうまく利用することで、日本のモノづくりを加速させ、質的にもさらに高めることができるはずだ。

●問い合わせ先
株式会社クアーズ
(ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスグループ)
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