IoTデバイスやコネクテッドカーといったエンドポイントの増大とともに、世界中で生成されるデータの量は爆増している。あまりの増加に保存環境の整備が追い付かず、IT調査会社のIDCの調査によると、2025年には9割のデータが保存されないまま捨てられる状況が訪れると予想されている。世界のCIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)はこの状況にどう対処しようとしているのか。データ・ストレージ・ソリューション企業、シーゲイトが行ったグローバル調査を基に、日本シーゲイトの新妻太代表取締役社長が効果的な解決策を提言する。
世界のCIO、CTOが抱えるデータ活用の課題を調査
――シーゲイトは、ファイルサーバーやパソコンなどに搭載されるHDD(ハードディスク・ドライブ)の世界的なメーカーとして知られています。まずは、貴社のプロフィルについて簡単にご紹介いただけますか。
新妻 シーゲイトは、データストレージおよび管理ソリューションを提供するリーディング企業として40年以上の歴史を持つ会社です。中でもHDDの開発・製造については、常に世界最先端の技術と、トップクラスの納入実績を誇っています。
また、近年はHDDやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)など従来のデータ・ストレージ・システムの枠にとどまらず、ストレージに関連する製品やソリューションを包括的に提供しており、ユーザー企業のデータ収集・保存・活用にまつわる悩みをトータルに解決するデータストレージおよび管理ソリューション企業として事業を展開しています。
――2020年7月にIT調査会社、IDCとの共同調査に基づく「データを再考する」というレポートを発表されました。どのようなレポートで、なぜ発表されたのでしょうか。
新妻 太代表取締役社長
新妻 当社は「データの可能性」(Data is Potential)を理念としており、データの可能性を最大限に引き出すことこそが、デジタル化された世界におけるビジネスの成功をもたらすと確信しています。
その上で当社は、世界で日々生成される膨大なデータの活用を、ストレージの領域からいかに支えていくかということを重要テーマに掲げています。より良いデータ環境(データスフィア)の創造によって、ユーザー企業が価値あるデータを存分に活用し、成長や企業価値ならびにお客さまへの価値の増大を実現することを支援したいと考えているのです。
ところが、その「データスフィア」の創造が近年、非常に困難になっています。背景にあるのが、IoTデバイスやコネクテッドカーといったエンドポイントの増大などに伴うデータ生成量の爆発的な増加です。