データクラウド化は
まず経営判断ありき
データクラウド化は、どのように進めればいいのでしょうか。
経営判断としてどんな意思決定をしたいのかということがあって初めて、どういうデータが必要なのかという議論ができます。社内にあるデータだけで十分なのか、新たに集めなければならないのか、新たに集めるとしてそれは自社だけでできるのか。ですから、まずは経営判断ありきです。
データを実際に分析し、活用するうえでは、データの品質が保たれていることが大前提となります。たとえば、電話番号にハイフンが入っているかいないかで、同じ番号でも違うデータとして認識されてしまいます。こうしたデータの汚れがあったり、データの定義・形式が揃っていなかったりするとデータを共有することはできません。
そのうえで、サイロ化を解消するにはデータはできるだけ一カ所にまとめること。先ほど申し上げたようにデータレイクの形でデータを一カ所にまとめて保存するケースが増えています。
(旧来型の技術基盤で構築された)レガシーシステムを使っているうちは、サイロ化の問題をなかなか解決できないと思います。古いテクノロジーを使っていると、爆発的に増えていくデータを扱い切れません。新しいテクノロジーを使い、データ爆発に柔軟に対応できる次世代型の基盤を構築する必要があります。
Snowflakeのクラウドデータプラットフォームは、ハードウェアやソフトウェアの導入、管理・運用などを一体的に請け負うマネージドサービスとして提供しています。従来のようにサーバーを設置してOSやミドルウェアをインストールしてからアプリケーションを使うといった手間はかかりません。管理・運用のために多くのIT要員を抱える必要もありません。
オンプレミスの従来型データウェアハウスでは、サーバーの処理能力やデータの記憶容量を超えてしまった場合は、増設や追加が必要になります。これには時間とコストがかかります。
一方、次世代クラウドデータ基盤であるSnowflakeは、ユーザーのニーズに合わせて処理能力や記憶容量を即座に拡張したり、縮小したりできるので、無駄がありません。午前中に処理のピークが過ぎたら、午後はリソースを縮小するといったことも可能です。
新しい製品やサービスをリリースした時に、アクセスが集中してサーバーがダウンしてしまうことがありますが、Snowflakeであればそうした理由による販売機会損失は生じません。
さらに付け加えると、日本のある企業がA社のクラウドインフラでSnowflakeを使い、ドイツのサプライヤーがB社のクラウドインフラ上にあるSnowflakeでデータを管理しているといった場合でも、スムーズにデータ連携を図ることができます。まさにデータクラウドを実現するためのプラットフォームなのです。
新規事業として、自社が保有するデータをマネタイズすることを模索する企業も増えています。
Snowflakeは、グローバルにデータを取引できる「データマーケットプレイス」という機能も提供しています。現在、100社ほどが気象や株価、位置情報に基づく消費者行動、商品価格、企業情報などを提供しており、無償で利用できるものもあります。ユニークなものでは、オプトイン(広告宣伝用のメール送信などの事前承諾)が取れた個人情報もあります。
このデータマーケットプレイスでデータセットを提供する企業、データを利用する企業がどんどん増えています。
最後に、データドリブン経営に必要なケイパビリティとは、どのようなものでしょうか。
一番重要なのは人材です。自社のビジネスとデータクラウドのコアテクノロジーの両方を深く理解している人材です。
そうした人材は、社内で育成するしかありません。最初は少ない人数でもかまわないので、コアテクノロジーを理解できる人材を育て、自社のビジネスとすり合わせていくことが必要です。コアテクノロジーの教育については、私たちも支援プログラムを用意していますので、ぜひ活用いただきたいと思います。
もう一つ重要なのが社内文化です。データに基づいてみんなが臆せずに発言したり、新しいことにチャレンジしたりできる文化、心理的安全性が組織に根付いていること。それがあれば、失敗を恐れずにPDCAを高速に回すことができます。
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