会話をテキストデータ化して
他のデータと融合させる
PrimeTiaasは、コンタクトセンター運営のために必要な回線やPBX(交換機)などの基盤をクラウド上で提供するサービスだ。初期コストを抑えながら、短期間で高機能センターを構築できるのが大きなメリットである。
さらに、仮想PBXは専用環境で運用するなど、オンプレミス型と同等のセキュリティレベルを確保。東日本のデータセンターに置くPBXはシステムが二重化され、西日本にもセンターを置いて実質的に3重化しているので、障害や自然災害にも強い。
このように、安定的な運用への信頼性が高いことから、PrimeTiaasは金融業をはじめとするさまざまな業種に採用されている。2020年春以降は、新型コロナウイルス危機の中でも事業を止めないために導入する企業が急増。そのニーズに応えて、在宅コールセンターの運用にも対応している。
PrimeTiaasには、コンタクトセンター業務を効率化するさまざまなオプションサービスも用意されている。その一つが音声のテキスト化である。
「顧客とオペレーターの会話内容をテキスト化し、デジタルデータとしてCRMなどの顧客データ基盤に取り込むことができます。他のチャネルから取り込んだ顧客データと組み合わせることで、より顧客のニーズにかなった営業アプローチやサービス対応が可能となります」と蔦谷氏は語る。
SCSKでは現在、PrimeTiaasを装備したコンタクトセンターが収集するVOCのみならず、ウェブサイトや実店舗などでの顧客接点から得られるデータ、公開されている外部データや第三者が持つデータなどを統合管理し、顧客の新規事業開発やデータビジネスの創出を支援する「CXデータプラットフォーム」の構築を目指している。
蔦谷氏は、「CX経営を実現していくためには、社内データだけでなく、他社が保有する情報やSNS、オルタナティブデータなど社外の情報も含めて分析し、インサイト(洞察)を導き出すことが必要です。利用できるデータの幅を大きく広げて、データ分析やマーケティング施策の実行を支援する仕組みを考えています」と説明する。