ビルの枠を超えて
スマートシティ化にも貢献

左)SEQSENSE社のセキュリティーロボット「SQ-2」
右)ZMP社の宅配ロボット「DeliRo™」

「ロボット移動支援サービスを導入すれば、例えばビルの入り口で荷物を受け取った配送ロボットが、ビル内のセキュリティーゲートやエレベーターを通って各フロアの部署に荷物を届けるという、サービスロボットによるラストワンマイルの配送作業も可能になります。警備や清掃、消毒を含めて、各種のサービスロボットがビル内を違和感なく動き回る、ロボットフレンドリーな環境が実現します」

ロボット移動支援サービスの特長
ビル内の設備とつながり、人とロボットが共存する環境を提供する

 1  エレベーターと連携し、フロアをまたいだロボットの稼働を実現
 2  入退室管理システムと連携し、セキュリティーを確保しつつシームレスな横移動を実現(将来)
 3  ロボットの通行や接近を人に通知し、安全と安心を提供(将来)

 ロボット移動支援サービスを導入できるのは、三菱電機製エレベーターを導入するビルに限られる。従来は大規模ビルなどに導入するエレベーターへの特注対応が中心だったが、10月8日に発売した最新の標準形機械室レスエレベーター「AXIEZ-LINKs(アクシーズリンクス)」は、Ville-feuilleのロボット移動支援サービスとの連携が可能だ。標準形エレベーターでの対応が可能になったことで、中小規模ビルにおけるロボット活用の可能性が広がった。

 Ville-feuilleとは、「都市」を意味する「Ville(ヴィル)」と、「千の葉」の意味を持つ洋菓子「Mille-feuille(ミルフィーユ)」を掛け合わせた造語で、「都市やビルへ多くの価値の葉を繁らせる」という意味がある。杉山氏は、枝葉を広げる意味をこう説明する。

「Ville-feuilleは、あらゆるニーズや環境変化に対応して発展し続けるもの。時代に応じた、その時々の価値を次々と提供し続けていくことで、スマートビルが有機的につながるスマートシティの構築にも貢献していきたいと考えています」