コロナ禍で大きく変化“ニューノーマル”を生き抜くオフィス新戦略

コロナ禍で大きく変化“ニューノーマル”を生き抜くオフィス新戦略PayPayも入居する「WeWork 神谷町トラストタワー」の共用エリア

働き方の変化に柔軟に対応
不動産を所有しないオフィス戦略

 QRコード決済サービスを提供するPayPayは、2018年6月の設立当初から、WeWork Japan(ウィーワーク ジャパン)が提供するフレキシブルオフィスを利用している。現在、2020年8月に開設された東京・港区の「WeWork 神谷町トラストタワー」内のオフィスで数千人の社員が働いている。

「PayPay様とは、WeWork 神谷町トラストタワー内のオフィスを本社としながら、全国にある多拠点のWeWorkをサテライトオフィスとしてご利用いただいています。特に神谷町の本社オフィスについては、PayPay様の”Work From Anywhere at Anytime(いつでもどこからでも働ける)”というニューノーマルの働き方に合わせて、空間設計をカスタマイズしています」と、WeWork Japanのマーケティング担当者は説明する。

 WeWorkと言えば、フリーランスやスタートアップといった、個人または少人数の会社が利用するワークプレイスだと思われがちだが、数百人、数千人規模の大企業にも使われているのだ。大企業がWeWorkを利用するメリットとしては、他の物件に比べて柔軟性が高いことが挙げられる。自社物件や賃貸物件では、社員数の変化に応じて面積を増減させるのは容易ではない。

 成長著しいPayPayは、社員数の急増とともに2年間で3度、本社オフィスを引っ越したが、いずれもWeWorkを選んだことで、柔軟なスケールアップが実現できたという。

 大企業の用途では、本社オフィスやサテライトオフィスとしての利用以外に、新規事業部門をWeWorkに設置するケースも多いという。たとえば、象印マホービンは創立100周年を機に、2018年11月に設置した「新事業開発室」のオフィスとしてWeWorkなんばスカイオを利用している。

 象印マホービンは、次の100年に向けて新たなブランド価値を生み出すため、異業種との出会いや共創機会が得られる場として、WeWorkを選んだのだという。社長自らが「新事業開発室は WeWork のような場で仕事をするべき」と理解を示し、2週間ほどで入居が決定した。

「WeWorkでは、共有エリアのほか、専用SNSのオンラインコミュニティやオンラインイベントなどでのコミュニケーションを通じて、他社・他業種とのコラボレーションを実現しやすい環境が整っています。新型コロナの影響で他社との交流が難しくなっている今こそ、オープンイノベーションを推進したい大企業にはまさに最適な環境であると言えます」(同)

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