データサイエンスを学び、価値創造に貢献できる人材を輩出する

データサイエンスとビジネス

人間の直感に反する答えが出てくることに
データの価値はある

データサイエンスを学び、価値創造に貢献できる人材を輩出する立正大学
データサイエンス学部
西崎文平教授(就任予定)

 立正大学経済学部に着任する直前まで、西崎文平教授は内閣府経済社会総合研究所の所長として、GDPや景気動向指数の作成に携わっていた。経済学部では統計学や地域経済論、経済指標の見方などを教えてきた。

「例えばGDPは四半期ごとに出て、前期比でそこそこ伸びていれば"景気がいい"と考えます。ところがGDPは数カ月前の数字なので、"今どうなっているか"が分からない。最新の景気判断をするためには、手に入るデータでギャップを埋めていく作業が必要になります」

 景気判断の実務では、数え切れないほど多くの統計を利用するが、最近注目されているのがビッグデータの利用だ。例えば足元の消費の状況を把握しようとすると、クレジットカードの決済データや、POSデータ、さらにはスマートフォンの位置情報が役に立つ。さらに「あまり売れない」「景気が悪いね」など、SNSで飛び交うテキストデータも参考になる。

「これらのデータは、景気判断の速報性という観点から見ると便利ですが、母集団が明確な政府統計に比べると、データに偏りが出てしまうのが問題です。ただし今後は、従来型の統計とこうした新しいデータを融合させ、分析していくことが主流になるでしょう」

 そこで必要となるのが、AIなどを使ったデータサイエンスの知見だ。データサイエンス学部では、ビッグデータを含むさまざまなデータの加工・分析を行い、企業や自治体が意思決定で使えるような、信頼性のある情報を引き出すことを目標とする。

 データは時々、人間の直感に反する答えを出してくるが、「そこにデータの本当の価値がある」と西崎教授は語る。経済への深い知識と統計リテラシーを持つ人材の育成、それが西崎教授の目指すところだ。

 

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