データサイエンスを学び、価値創造に貢献できる人材を輩出する

2022年に開校150周年を迎える立正大学は、来春データサイエンス学部を開設する。新学部設置の背景とその教育の内容を3回シリーズで紹介する最終回。新学部に関する最新情報と共に、就任予定の2人の教員に期待と抱負を聞いた。

 新学部には、全ての学びの土台となる教養的科目に加えて、二つの専門科目群がある。データサイエンスの学びの基礎や、データサイエンティストの能力を身に付ける「データサイエンス科目群」と、データサイエンスが実践的に利活用されている分野について学ぶ「価値創造科目群」である。それぞれ基礎と発展の2段階で学ぶ。

 そのうち特徴的なのは、後者の「価値創造科目群」だ。もはやデータサイエンスは現在の“産業革命”においては汎用技術と見なされ、応用可能性領域が広範囲にわたる。そのため基礎段階では、ビジネス、観光・社会、スポーツなどの分野の基礎知識を獲得するとともに、それらの分野でデータサイエンスがどのように利活用されているのかを学ぶ。

 発展段階では、データサイエンスの知識・技能に加えて、具体的に経済、経営、地理情報システム、気象、観光、会計、スポーツなど、データサイエンスをベースにした価値創造について深く学ぶ。価値創造に関係する知識・技能を修得することで、現代社会の価値創造に貢献できる人材を育成するのだ。

 新学部のもう一つの特徴は、フィールドワークやインターンシップを重視していること。各分野で十分な研究実績のある教員の指導の下、実業界で実際にデータを用いたビジネスを展開している企業や組織と連携し、フィールドワークやインターンシップを通して、実務上の課題を発見し、それに対する解決策を学生が主体的に提案していく。

 全学生にノートパソコンを貸与し、双方向授業、e-learning、オンデマンド学修、反転授業など、多様な取り組みを行っていくのも特徴の一つだ。

 データサイエンスは技術進歩が早い分野であり、そのため卒業後も大学に戻って情報交換や新知識の修得をしていくことが必須となる。そのため立正大学では、卒業生とのネットワークを生かした開かれた研究・教育体制の構築を目指している。

 また、新学部の開設と同時に全学機関として「立正大学データサイエンスセンター」を設置。全学的なデータサイエンス教育の支援に加えて、学部横断的な共同研究プロジェクトや、セミナーやシンポジウムを開催、さらにデータサイエンス研究に資するデータの収集・管理を行っていく予定だ。

 こうして、データサイエンスに関する高度な研究・教育機能が大学の特色の一つとなる。データサイエンス学部の開設は、立正大学自身の新たな価値創造への挑戦でもある。

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