自治体経営好循環の証しふるさと納税日本一 ※1

自治体の経営が厳しい状況にある中、ふるさと納税制度を「政策推進のきっかけ」としてユニークな自治体経営を続ける地方都市がある。宮崎県都城市で、その取り組みを探った。

自治体経営好循環の証しふるさと納税日本一 ※1

 2019年度に都城市には、約106億円のふるさと納税による寄附金があった。市の一般会計当初予算額(20年度)は約866億円なので、1割強に相当する。換金性が高いものや高額商品など過度な返礼品を用意するのではなく、総務省ルールにのっとった結果だけに、全国自治体の注目を集めた。

ふるさと納税は戦略的なPRツール

自治体経営好循環の証しふるさと納税日本一 ※1宮崎県都城市
池田宜永 (いけだ たかひさ)市長
1971年生まれ。宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校、九州大学経済学部卒業後、大蔵省入省。東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。金融庁監督局銀行第一課課長補佐、外務省在オーストラリア日本国大使館一等書記官を歴任後、2007年宮崎県都城市副市長、10年財務省主計局主査、12年宮崎県都城市長就任。現在3期目。

 08年にふるさと納税制度が始まってから5年間の寄附金額は、年間500万円ほどにすぎなかった。しかし、12年に池田宜永市長が就任すると一変。ふるさと納税を市の知名度向上につなげるためのPRツールとして活用する方針を明確にし、14年に対応見直しを図った。

 池田市長は、その理由を「当選間もない頃に東京で挨拶回りをしていたら、『存じあげていますよ。ミヤギ県トジョウ市でしょ』と言われたのが本当に悔しかった」ことだと打ち明ける。

※1 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」において、2015年度、
   16年度の受入額、受入件数共に全国1位。19年度は受入件数が全国1位。

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