自治体経営好循環の証しふるさと納税日本一 ※1

政策推進が見えれば職員の意識が変わる

 ふるさと納税に携わった職員を中心に、市役所職員たちの意識にも変化が表れた。

「役所は『数字』が出るような仕事は少ないが、ふるさと納税は結果が数字に表れます。目に見えて数字が増えると職員にもやりがいが生まれます」

 池田市長によると、ふるさと納税は(1)対外的PR、(2)地域経済の活性化、(3)市の収入増、(4)職員の意識改革に効果があったという。重要なのは、ふるさと納税への取り組みによる成功体験を踏まえて、市役所職員の意識改革が進み、政策推進の重要さを意識するようになったことである。

 象徴的なエピソードが、都城のマイナンバーカード交付率の高さだ。10月1日時点の市区別交付率44%は、2位の奈良県橿原(かしはら)市の35%、全国平均の20%を大きく上回る。

「面倒な申請作業の多くを役所で内製化することで市民の負担を減らし、また役所に申請に来てもらうのではなく、職員が出向いてサポートしています」

 タブレット端末で職員が市民の顔写真を撮影後、申請が簡単に終わる仕組みを発案し、企業や各種イベント会場に出張申請受付所を設置するようにした。

「自治体のデジタル化は必至ですが、市民を置き去りにしないための、高齢者などに配慮した工夫や取り組みと、関係部門が自然に連携していく仕組みが大事だと考えています」

 現在まで、ふるさと納税の寄附総件数は251万件にも上る。それは都城を知る人が全国に増えたことの証左であり、ミートツーリズム(上図参照)の参加者が2年で約77倍に増え、移住関連雑誌「田舎暮らしの本」の「住みたい田舎ランキング」で九州1位(人口10万人以上)になったことにつながっていった。

 ふるさと納税に関する取り組みを端緒として、自治体経営に好循環を生み出した好例である。

●問い合わせ先
都城市ふるさと産業推進局
ふるさと納税担当
〒885-8555 
宮崎県都城市姫城町6街区21号
TEL:0986-23-2452
https://lp.furusato-miyakonojo.jp/
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