製造業・建設業向けのCADアプリケーションの受託開発で圧倒的な強さを誇るキャパ。上流工程の1次請けの比率も高く、差別化による高収益を実現している。近年は建築・土木業界で注目されるBIMやCIMの領域にも進出し、安定感とチャレンジングな姿勢が両立している企業だ。
小甲(こかぶ) 健取締役社長
「キャパ」のメイン事業は、顧客の要望に合わせてソフトウェアを開発する受託開発である。創業から自社でCADソフトウェアを開発してきたこともあり、製造業と建設業を中心にCADアプリケーションや設計部門アプリケーションの受託開発で多くの実績を重ねている。
設計支援ツールであるCADに加えて、建築向けのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や土木向けのCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の受託開発を行うほか、CADの開発経験を生かしてAR/VR(拡張現実/仮想現実)システムの提供も行っている。構造物の3次元モデルをベースに建築・土木ビジネスの効率化・高度化を図るBIMやCIMは、業界では必須のツールになりつつあるが、ソフトウェアの受託開発を行っている会社は意外と少ないのが現状だ。
「東京にある従業員数200人以下の受託開発ソフトウェア会社で、CADの受託開発ができるのはわずか4社、BIMは1社、CIMに至っては0社です。それに加えて産業用のAR/VRの開発ができる会社は非常にまれなため、差別化による高収益が実現できています」
そう語るのは小甲健社長だ。以前はSIer(エスアイヤー)の2次請けの案件が多く、リーマンショックでは痛手を受けた。そのため下請けからの脱却を図り、“ブルーオーシャンを探し、レッドオーシャンからは撤退する”経営にシフトチェンジした。現在、1次請け比率は約50〜70%(CAD開発・業務システム開発)に及んでいる。