自社開発の製品やサービスに力を入れる
最近、同社が力を入れているのが、自社開発の製品やサービスだ。具体的には、テレワーク向けのアプリケーションと、技術者向けのマッチングサービス。
「前者は、独自のビデオチャットのシステムで、セキュリティーの強さが特徴。フリーのクラウドサービスに依存することなく、自社内でビデオチャットの環境がつくれるパッケージソフトで、個人情報を重視する学習塾などから引き合いが来ています。後者は、現役のエンジニアがメンターとなって、自分のスキルを時間単位で学習者(メンティー)に教えることができるサービス。相性の良いメンターに出会えるのが特徴で、将来的にはその中でコミュニティーをつくり、企業が優秀なエンジニアを採用できるようなリクルート媒体を目指しています」(岡田社長)
こうした自社開発に力を入れる一方、顧客の業務を深く学ぶことができるため、従来からの客先常駐での開発も大切な仕事と捉えている。そうした案件では電鉄や通信などの重要なインフラ系企業のシステム開発が多く、取引先との信頼関係がベースになっている。
吉村行雄取締役
情報システム部部長
吉村行雄取締役は、同社が顧客から信頼されているのは、「やり切る力」があるからだと言う。
「この業界では、お客さまが満足されていない形で仕事が終わることも多いのですが、当社はお客さまとの話し合いを綿密に行い、必ずお客さまの望みに応えられるよう最後までベストを尽くします。若いエンジニアたちに言うのは、“ものづくりではあるが、接客業でもある”ということ。その基盤にあるのは、やはりコミュニケーション力です」(吉村取締役)
同社では理系よりも文系出身者が多く、社会人経験を経て入社する人も多い。美容師や飲食業からエンジニアとして採用され、現在では中核メンバーとして活躍しているケースもある。
「社会人経験はシステム開発で生かせる場合が多く、さまざまな視点を持っていることは魅力になります」(吉村取締役)。