スマートシティ化を
促進する物流インフラ

 テクニカルロジスティクスセンターの業務は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、大きな広がりを見せそうだ。松川執行役員は、「生活・社会を支えるプラットフォームとして、都市のスマートシティ化をサポートする」と予測する。

 例えば図2の学校の部分を見てほしい。

「当社はラストマイルロジスティクスの分野を担うグループ会社やパートナー企業と連携して、文部科学省のGIGA(ギガ)スクール構想(学校のICT環境を整備し、全ての子どもに最適な教育を行う構想)に沿った電子黒板のようなICT製品の納品・搬入・設置に関与しており、今後はそのアフターサービスにも積極的に関わっていきたいと思います」(松川執行役員)

 将来的には、電子黒板などが学校授業の主流になると、故障により授業がストップする可能性がある。テクニカルロジスティクスセンターの予防保全などの機能を使えば回避が可能だ。

 もちろん、GIGAスクールは一例にすぎない。近い将来、オフィス、病院・研究施設、公共施設、個人宅などに設置されている機器のIoT化が進み、双方向通信によってさまざまな情報をやりとりする時代になる。

「その情報をテクニカルロジスティクスセンターで集約して高付加価値のサービスを提供していくことで、テクニカルロジスティクスプラットフォームを生活・社会インフラサービスを支えるプラットフォームへ進化させ、快適な社会づくりに貢献したい」。松川執行役員は、そんな未来の姿を描いている。

 物流企業と聞くとモノを在庫して運ぶという従来型の物流機能に視点を置きがちだが、同社は独自のプラットフォームの強みや最新のテクノロジー(ブロックチェーンやAI)を生かして、スマートシティを支える社会インフラ企業に発展していく。

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三井倉庫ロジスティクス株式会社
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町19‐21 三井倉庫箱崎ビル2F
TEL 03-6400-8057
https://www.mitsui-soko.com/company/group/msl/