M&A後も57%が経営者として関与
現在、同社への譲渡相談件数の37%が売上10億円超の中堅企業である。前年比で増収を達成している企業が63%、そのうちM&A後の経営への継続関与が実績件数で57%と多数を占め、前述したように、従来の売り抜けを目的としたM&Aとは全く異なっている。経営に継続関与するケースでは、代表権を持った社長として引き続き経営手腕を振るい続ける割合が81%にも及んでいる。
売主が同社を評価するポイントは、業界のことを誰よりも熟知し、“自分の会社を理解して、付加価値の高い会社として買主に話をしてくれる”ことにある。一方で買主が評価するのは、自社とのシナジーを考えた上で、実績もあり成長し続ける可能性のある希少な企業を紹介してくれるからだ。
「会社を売るのは、経営者にとって最も重要な意思決定です。そのため、私たちは業種を特化してノウハウを蓄積し、経営者と同じ視座に立ち、経営者に負けないスキルと熱量で売主企業に伴走しているのです」(松尾副社長)
齋藤社長が目指すのは、2030年までに業種別M&Aで業界トップの存在になること。成長型M&Aを普及させ、“M&A=事業承継”のイメージを変えることだ。
「M&Aは目的ではなく手段。買主・売主ともM&Aで企業成長を加速し、さらなる躍進を図ってほしいと考えています」