チャットボットの
サービスも展開

次世代の“AIコールセンター”を提供。企業の固定費を削減し、収益の向上を支援する
※三つのタイプをカスタマイズし、より顧客のニーズに特化したものもできる拡大画像表示

 TACTでは、人に代わってウェブ画面上で問い合わせ対応を自動で行うAIコンシェルジュforチャットボットのサービスも展開している。

 ここで使われているのは、コールセンター運営のノウハウを基に自社開発した、自然言語処理搭載の対話エンジン。キーワードや文脈、表現の揺らぎに対応するほか、クライアントのニーズに合わせて、専門用語や業界特有の言い回しをカスタマイズして提供している。

 また拡張機能も備えており、電話のAIコンシェルジュとの接続や、FAQシステムと連携して、FAQ構築・顧客対応の自動化を図ることが可能になっている。

 チャットボットの種類は、「選択型チャットボット」、「対話型チャットボット」、「フォーム型チャットボット」の三つのタイプがある(上図参照)。

 TACTでは、クライアントにヒアリングを行い、この三タイプをカスタマイズすることで、よりニーズに特化したチャットボットを作っていく。活用イメージは、選択肢で表示をする社内ヘルプデスクや、フローで誘導する受付フォームなどだ。

次世代の“AIコールセンター”を提供。企業の固定費を削減し、収益の向上を支援するAIコンシェルジュforチャットボットは、スマートフォンやパソコンの画面からチャット形式で自動応答する。マニュアルなどのダウンロードをはじめ、動画や画像の添付やカレンダー機能もある
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 その事例を紹介しよう。

事例●大手薬局の場合

 九州で多数の店舗を展開する調剤薬局の大手が、社内対応の効率化を図るため、AIコンシェルジュforチャットボットを導入した。

「約6000人の社員規模を持つ調剤薬局で、課題はIT部門のオペレーションの負荷が大きいことでした。各店舗から、POSレジなどIT機器の使い方や故障などの問い合わせが多く、その対応は外部のコールセンターに委託していたのですが、回答の内容が不十分。ならばチャットボットで代替できないかと検討していたのです」(溝辺社長)

 AIコンシェルジュforチャットボットでは、マニュアルなどのPDFファイルもチャットボットからダウンロード可能で、カスタマー向けFAQ対応で画像や動画もチャットボット上で表示できるため、言葉で伝えるよりも正確に回答が伝わるようになった。

 問い合わせの内容自体が、実は複雑なものではなく、再起動で解決するような案件も多かったため、ITヘルプデスクをつくるまでもなく、チャットボットで十分に対応可能だったのだ。結果的に回答の品質も上がり、対応部署の負荷もコストも削減できた。

事例●自治体の場合

 もう一つは、地方自治体のケース。愛媛県は20年8月に期間限定で、密接不可避業種感染予防対策推進給付金の申請に関する質問への対応を、AIコンシェルジュforチャットボットで行った。このサービスでは、申請者がチャット画面から質問項目を選択すると、申請対象者か否かのチェックから始まって、申請に必要な書類を一つずつ確認し、最終的に申請書をWord・PDFでダウンロードできるようになっていた。

 それによって、早朝や深夜、休日でも問い合わせ受付が可能となり、待ち時間なく自動で受付ができるようになった。また人を介さないことで、コロナ時代におけるBCP対策にもなったという。自治体では住民からの問い合わせが多いため、今回の申請の案内だけでなく、AIコンシェルジュforチャットボットが活躍できる領域は広がる可能性がある。

 溝辺社長は最後にこう締めくくる。「私たちのサービスは、企業や自治体の固定費を、音声認識や音声合成を使ったAIのシステムで圧縮するものです。固定費となるコールセンターなどのBPO※3に莫大な費用をかけるより、AIコンシェルジュのサービスを効果的に利用し、利益の損失を回避してもらいたい。それが日本経済の発展につながると信じています」。

※3「BPO」……Business Process Outsourcingの略。自社の業務を一括して外部の専門業者に委託する経営手法。

●問い合わせ先
株式会社 TACT
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-3-10
https://www.tactinc.jp/