強固な財務基盤を持ち、高い収益性を実現しているのも強みで、経営目標は「増収・増益・連続増配」。その目標通り、20年3月期は8期連続の増収増益を達成した。今期も通期業績予想を営業収益730億円、営業利益145億円にそれぞれ上方修正し、9期連続の増収増益となる見通しだ。自己資本比率が81.9%と高いのも特徴で、株主数も急増するなど、投資家からの注目度も高くなっている。

2020年3月、南海トラフ地震などの影響を受けない新設の西ルートの海底ケーブルを敷設。ケーブルの二重化によって強靭な通信ネ ットワーク環境を構築した

 湯淺社長の経営方針は、「大手に負けないために、スピード感を持って戦略的な投資をする」こと。20年には県内の事業者としては初となる光ファイバーの海底ケーブル事業を展開、同年3月に鹿児島県と沖縄本島を結ぶ新設ルート(ケーブル全長約780㎞)を竣工した。

「これまでは、宮崎県との間を結ぶ“東ルート”の海底ケーブルしかありませんでした。もし南海トラフ地震が発生してケーブルが全断したら、沖縄はまさに孤島になってしまいます。今回、海底ケーブルを敷設した“西ルート”は、南海トラフ地震の影響を受けないルートで、もしものときも通信を確保できるものとなっています」