在宅勤務やリモートワークの普及とともに、オフィスの役割が問い直されている。野村不動産は、複数の拠点を組み合わせて社員の働き方を最適化する「オフィスポートフォリオ」という考え方を提唱。そのメリットについて、同社が提供する中規模ハイグレードオフィスPMOに入居し、クオリティスモールオフィスH1O、サテライト型シェアオフィスH1Tを併用する企業の事例で検証する。
「新型コロナウイルスの感染拡大とともにリアル消費が大きく落ち込み、アパレル業界でもECに活路を求める動きが広がっています。少しでもそのお手伝いができれば」と語るのは、CODESHAREの江島晋一代表取締役社長。同社はファッション感度の高い女性をターゲットとしたファストファッションのECサイト『fifth』(フィフス)を運営している。会員数は約250万人に上り、培った知見やノウハウを生かして、他のアパレル企業のEC事業構築や事業運営を支援するサービスも提供している。
メイン拠点の他にシェアオフィスなどを契約
江島晋一 代表取締役社長
同社は2020年11月、創業から7年以上入居していたオフィスビルを離れ、野村不動産の中規模ハイグレードオフィス『PMO渋谷Ⅱ』に移転した。
メインオフィスとして1フロアを借りたほか、同じビルに入っている野村不動産のクオリティスモールオフィス『H1O渋谷三丁目』(エイチワンオー)、首都圏で約60拠点を展開するサテライト型シェアオフィス『H1T』(エイチワンティー)の利用契約も締結した。江島社長はその理由について、「社員が健康に不安を感じることなく、存分に能力を発揮できる環境を整えたかったからです」と説明する。
メインオフィスには会議室や商談スペースを置かず、来訪者への応対は基本的に、感染対策設備が整った『H1O』で行うことにした。外部との接触をできるだけ避けるためである。
また、『H1T』を利用するのは、住居環境や家庭の事情などで、在宅勤務では十分な働く環境を整えられない社員もいる中、パフォーマンスを向上・均一化させるためだという。
「社員が能力を最大限に発揮できるのなら、働く場所は問いません。どこで働くのがいいのかは人それぞれですから、なるべく多くの選択肢を提供したいと思ったのです」(江島社長)