紅茶好きだけでなく
飲まない層にもアピールするおいしさ
今回は“午後ティーらしさ”を大事にしながら、赤・白・黄のカラーを強調し、ティーポットのイラストを大きく配置するなどにより「ときめく」パッケージデザインに
今回のリニューアルにあたっては、「午後の紅茶」を普段から飲んでいる層だけでなく、同社がノンユーザーと呼ぶ紅茶飲料自体をあまり飲まない層に対しても調査を行っている。当初は一方の層がおいしいと感じるものは、もう一方には好まれないということが多かった。たとえば普段から紅茶を愛飲している人には、茶葉独特の渋みが好まれるが、ノンユーザーはそれを嫌う。そう聞くと、両者が満足する味に到達するのは不可能ではないかと感じるが、あきらめずに試行錯誤を繰り返した末に、すべてのユーザーから高い評価を得ることができた。
また、今までの調査では、冷えた紅茶を飲んでもらっていた。しかし実際の飲用シーンでは、少しずつ飲まれ続けたり、時間を置いて飲まれたりすることも多い。そこで今回は、冷蔵と常温の両方でテストを行った。つまり、紅茶好きにも、紅茶を飲まない人にも、冷やしてもぬるくなっても「おいしい」と感じさせたのが、今回登場した製品なのだ。
午後ティーのブランド・パーパスは
「いつでもお客様に幸せなときめきを届ける」
約2年間のリニューアル準備期間中、コロナ禍に見舞われた。多くの人の生活様式に変化があった中、販売戦略を変更せざるを得ないなど、何か影響を受けたのだろうか。
「ブランド・パーパスに沿った活動を常に行っていくという点では、コロナ前後で変えていません」
同社ではブランドのパーパス(社会的存在意義)を高め、生活者や社会の共感を得るパーパス・ブランディングに取り組んでいる。「午後の紅茶」のパーパスとは、「いつでもお客様に幸せなときめきを届ける 」こと。リニューアル品では、茶葉の配合や抽出温度・時間を見直し、パッケージデザインを工夫して、味と見た目の両面から「ときめき」を体現している。
ユーザー発信の「午後ティー」は、なぜ公認になった?
今では正式名称よりも使われているだろう「午後ティー」という愛称。いつの間にか自然発生的に生まれたものだが、2019年からは、公式の広告でも採用している。耳から入る「ゴゴティー」という音に、多くの人が馴染んでいるという理由もあるが、最後の決め手はお客様に寄り添っていくブランドであるべきだという思いだ。
「お客様が親しみを持って呼んでくださるのであれば、キリンからもそう発信してオフィシャル化しようと考えました」(加藤氏)
今では正式名称よりも使われているだろう「午後ティー」という愛称。いつの間にか自然発生的に生まれたものだが、2019年からは、公式の広告でも採用している。耳から入る「ゴゴティー」という音に、多くの人が馴染んでいるという理由もあるが、最後の決め手はお客様に寄り添っていくブランドであるべきだという思いだ。
「お客様が親しみを持って呼んでくださるのであれば、キリンからもそう発信してオフィシャル化しようと考えました」(加藤氏)