マーケティングファームという新しい形で、需要と供給に徹底的に寄り添う

新規事業を生み出し、
市場に新しい価値を提供

──アレテコ自身が創り出したビジネスには、どのようなものがありますか？

高木　一つは、歯科矯正ブランドの事業です。高額な歯科矯正を、もっと安く受けたいというニーズに対し、10万～30万円程度で歯科矯正ができるプログラムを開発しました。技術料を低く抑える代わりに患者さまの新たなニーズを喚起することに賛同してくれる医療法人さまと提携して「キレイライン矯正」というブランドを構築し、今順調に伸びています。

　また「クラウンシッター」という幼児教育シッターサービスがあります。「子どもに良い影響を与えるシッターサービスが欲しい」という需要を掘り起こし、育児に関心がある有名大学の学生をシッターとして派遣する「幼児教育コンテンツ」を持つシッターサービスを始めました。シッターを頼むことにためらいがあっても、家庭教師のようなものと思えば気持ちが楽になるでしょう。これは社内の新規事業としてスタートし、現在はスピンアウトして事業を展開するまでに成長しています。

　いずれも当社のマーケティングの観点から人々が抱えている需要に徹底的に寄り添った結果、生まれた新しいビジネスです。

──今後の成長戦略を教えてください。

高木　目指しているのは、時価総額1兆円規模の会社になること。それを実現するためには、最高のマーケターが集まった、最高の組織をつくる必要があります。当社はフィロソフィー経営を実践しており、経営理念は「いまここで、よく生きる」。将来のために今を頑張るというロジックでは、未来のために今が犠牲になってしまいます。“未来を手段に、今を目的に”という言葉を軸に、今この瞬間を大事にしながら、卓越した創造性を発揮しようと考えています。

　物質欲を満たすためだけでなく、マーケターならではの視点で今を大切にする新しい価値を生み出しながら、マーケティングファームという形で、新しい働き方や生き方を世の中に提示していきたいと考えています。