申請業務から承認業務まで
BPOによって効率化

 間接業務を本社に集中させている企業は多い。出社制限によって、全国から送られてくる領収書の処理などの業務が滞れば、他拠点の業務にも影響を与えかねない。領収書など紙の証憑類を扱う業務の効率化、デジタル化は大きな課題である。

 解決アプローチとして、ノンコア業務の外部委託は有効な選択肢だ。SB C&Sは「経費精算BPO」というソリューションを提供している。

 まず、紙の領収書を扱う経費精算の流れを見てみよう。全国の従業員は経費の内容をPC画面に入力するとともに、領収書を台紙などに貼って経理部門に送付する。受け取った経理部門担当者は開封・着荷確認(通常、台帳への記入も行われる)をして、PC画面で申請内容と突合し、間違いがなければ承認、その情報は申請者の上長など権限者に送られる。

 1人が月に5枚の領収書を送るとすれば、従業員1000人の企業なら、担当者は月間5000枚を処理することになる。

「特に従業員がシステムに入力した申請内容と紙の領収書の突合作業は非常に煩雑。手元の領収書とPC画面を見比べ、一つ一つチェックしなければなりません。こうしたノンコア業務を外部委託すれば、担当者は予算管理や戦略策定などのコア業務に集中できるはずです」と佐藤室長。以上で説明した突合を中心とする経理部門のプロセスを、同社では「承認代行BPO」として受託している(図1上)。

 この他に、「申請代行BPO」もある(図1下)。こちらは、従業員による経費入力を含めてSB C&Sが担う。各拠点からは、領収書など紙の証憑と本人確認のためのQRコードをセットにしてBPO拠点に送るだけ。後は、SB C&S側でシステムへの入力、内容のチェック、さらに代理申請まで行う。企業はこれを受け取って、上長承認など従来通りのプロセスを進める。申請代行BPOでも、証憑を扱う面倒な仕事を外部委託することができる。