ジェネリック医薬品(後発医薬品)のリーディングカンパニー、沢井製薬は2021年4月1日に「サワイグループホールディングス」を設立し、持株会社体制に移行する。研究開発力などの強みを生かし、新規事業の育成に取り組む方針だ。持株会社体制への移行目的や今後のビジョンなどについて、同社の澤井健造代表取締役社長に聞いた。

持続的な成長を続けるために持株会社体制に移行

――今回、「サワイグループホールディングス」が設立され、持株会社体制に移行します。その理由と目的を教えてください。

ジェネリック医薬品を基盤に新規事業を育成し、総合的なヘルスケアカンパニーを目指す澤井健造
沢井製薬
代表取締役社長

澤井 2002年以降、医療保険財政の改善や患者負担の軽減のために、ジェネリック医薬品の使用促進が図られてきました。現在、政府目標の「数量シェア80%」はほぼ達成し、ジェネリック医薬品の社会的意義はますます高まっています。

 一方で「薬価制度の抜本改革」により、21年度から毎年薬価改定(これまでは2年に1回)が実施されます。その影響は特にジェネリック医薬品メーカーにとって大きく、業界再編の引き金になるともいわれています。

 当社においても薬価が下がる一方では、高品質な医薬品を安定的に供給し続ける社会のインフラとしての役割を果たすことが難しくなるかもしれません。また、政府は狭義の医療だけでなく、未病・予防対策・データヘルス改革などを通じた健康長寿社会を志向しています。
 
 当社を取り巻く環境が変化する中で、当社グループが今後も持続的な成長を続けるためには、コアビジネスであるジェネリック医薬品事業をより強化していくことに加えて、時代の要請に即応した周辺領域で新たな事業を育成し、患者さん、ひいては世の中の人々のお役に立てる総合的なヘルスケアカンパニーを目指す必要があるという結論に至りました。持株会社体制は、その実現のために最適であると判断しています。

 21年5月以降に「サワイグループホールディングス」として、今後10年を見据えた「長期ビジョン」と直近3年間の目標を示す「中期経営計画」の発表を予定しています。