なぜ目標を達成できないのか?
――目標を達成できない営業マネージャーは、何が間違っているのでしょうか。
旅行で考えてみましょう。目的地に到着するプロセスは、1.行き先(Goal)が明確である、2.移動手段、乗換・スケジュール、費用などの計画(Plan)が明確である、3.決めた計画通りに行動(Do)する(予定した列車・便に乗る、等)、4.事故・急な天候変化・地震などの想定外の出来事があっても、目的地に辿り着ける軌道修正案(リカバリープラン=Check&Action)を立てる、の4つに分けることができます。
多くの営業マネージャーは、「とにかく目的地にたどり着け!」と言うだけ。具体的な計画がないので、行き当たりばったりで、途中で事故が起こっても、どう対処するかなどの修正案を全く指示しません。だから、部下が目標を達成できないと、どう指導したらいいかわからない。ではどうするか。
まず、目標(Goal)を明確にすることが前提です。次に、計画(Plan)。これは、目標を期間や人数でただ割っただけではなく、具体的な行動内容、行動量、期日が含まれる必要があります。数値化した計画があって初めて、それに基づき実行(Do)し、検証(Check)とアクション(改善)ができます。このマネジメント手法が、下図「G-PDCA」のサイクルです。
このように、「目標(Goal)を達成するために、計画(Plan)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Action)の業務プロセスを円滑に回す」ことで、どんな部下が実行しても必ず目標を達成できる方法を具体的に指示することができます。
ところが、多くの営業マネージャーは、売上や利益など数値目標を管理するだけ。「何を」「いつまでに」「どれだけ」といった具体的指示を出さないから、部下たちは勝手に行動します。なかには見当違いな行動をする者も出てくる始末。
マネジメントとは、結果の管理ではありません。プロセスの管理なのです。それによって結果を最大化する「プロセスマネジメント」を導入した会社では、間違いなく営業マネージャーの意識と行動が変わります。