大学病院の9割以上が
FileMakerを導入している理由

 新型コロナ危機で先が読めない時代を生き抜くためには、アジャイルな経営が不可欠だと多くの経営者が考えています。

 振り返ってみれば幸運だったのですが、Clarisでは新型コロナウイルスの感染が拡大する前から、社内においていかにアジャイルな方法論でビジネスを回していくか、意思決定のスピードをいかに速めるかということを考え、社員に十分なトレーニングをしてきました。

 組織としての柔軟性やレジリエンスをもっと強化しなければならないと認識して、そのための訓練を行ってきたのです。

 会社全体では約9000時間に及ぶトレーニングを行い、さらに「スクラム」と呼ばれる組織強化のためのフレームワークを社内に広げることにも力を注ぎました。

 結果として、当社はパンデミック前よりもお客様により高い価値をもたらすソフトウェアを提供できるようになっていますし、社員のエンゲージメントや満足度が高まるという結果が出ています。

 このアプローチによって、「Team Empowerment」(チームの強化)を実現できたと思っています。

 Clarisは、日本で2020年2月から新型コロナ感染症に関する医療機関の支援など、多くの取り組みを迅速に展開しています。

 当社は、各国の経営チームに一定の自立性を与えています。その中で、日本では医療機関向けの支援を強化しているのです。

 世界的に見ると、当社の主力製品の一つである「FileMaker」の日本の医療機関における導入率は群を抜いており、大学病院では9割以上に達しています。

 一方、アメリカのチームは教育業界向けのマーケティングに強いといったように、国・地域によって得意とする業界は異なります。

 もちろん、日本チームが医療機関向けの投資を強化しているのには理由があります。日本の医師は、医療サービスを提供できるだけでなく、みずからテクノロジーについて学び、プラットフォームに関する知見を身につけようとする方が多いからです。

 FileMakerは、システム開発を外部委託しなくても、ユーザー自身が簡単にカスタムアプリケーションをつくれるローコード開発や、迅速かつ柔軟に改善できるアジャイル開発に対応しているのが大きな特徴です。テクノロジーやプラットフォームに関する知見が豊富な日本の医師なら、求めるシステムを自分たちで簡単につくれるのです。

 Claris全体としては、ある分野において成功している国・地域のベストプラクティスを学ばせ、実践させていますが、共通のビジョン、使命、目的を掲げ、グローバルとして足並みを揃えるようにしています。

 Clarisは、「問題解決型のディベロッパー」であることを使命としていますので、常にお客様の課題に目を向けることを大切にしています。この点は、国・地域にかかわらずぶれることのない共通の価値観です。

 そのうえで、それぞれの国・地域の戦略に応じた人材への投資やマネジメントを行っています。