コストを抑え短期間でリニューアル
エレベーターメーカーとして、自社製品の厳しい試験を行う。日常の安心と安全は、このような徹底した企業努力から生まれる。
1970年設立のエス・イー・シーエレベーターは、独立系メンテナンス企業でもあると同時に、メーカーでもある。メンテナンス企業として、全メーカー全機種のエレベーターに対応する技術力により、5万台以上のメンテナンスを行い、年間500台を超えるリニューアル工事も行っている。
同社が行うリニューアル工事には、エレベーター完全停止がたった1日という「スピードリニューアル」プランがある。制御盤と操作盤、制御ケーブルのみを自社開発製品に交換するもので、使える部品を残すことでコストを抑えつつ、エレベーターのイメージを一新するものだ。他にも部分的リニューアルから全てを撤去・交換するプランまで、エレベーターと管理組合の状況に合わせて選べるプランを揃え、そのいずれもが完全停止を1〜5日程度と短期間で行うことを前提とする。
「エレベーターのご利用者に迷惑が掛からないよう、設計や工事担当者の段取りなどでいかに工期短縮できるかを考えています」と鈴木氏は語る。現地での組み立てでは工期が長期化する可能性が高いため、自社工場で設計製造し、現地では設置のみとすることで、工期短縮を実現しているのだ。
メーカーとしての商品開発では、特にエレベーターの頭脳である制御盤の開発において、故障などの障害を事前に感知するようAIを駆使。また、当初から各種センサーやICカードを用いた操作盤に対応し、利便性・快適性を高める機能を多く開発している。
エレベーターの改修工事にネックとなる工事期間とコストをいかに短く低く抑えるか、創業以来50年以上、世の中のニーズに応え続ける同社の技術力とノウハウが光る。