2019年の発売以来、「甘くない※1」午後ティーとして幅広い年代に人気の「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズ」シリーズが新パッケージにリニューアルした。新たに5種のフルーツの香りが楽しめるフルーツティーも発売され、「微糖」紅茶カテゴリをけん引するシリーズとしての期待が高まっている。
マーケティング部 ブランド担当 担当部長 シニアブランドマネージャー
加藤麻里子氏
「午後の紅茶 ザ・マイスターズ」シリーズは2019年に誕生、最初に発売されたのはミルクティーだ。甘さ・糖離れ志向の30代以上をターゲットとし、2019年の累計販売本数が6800万本を突破する大ヒット商品となった。2020年にはオレンジティーがラインアップに加わり、健康意識の高まりなどを背景に、前年比約1割増と好調に推移している。
レギュラーの「午後の紅茶」が主に10~20代に飲まれているのに対し、「ザ・マイスターズ」シリーズのユーザーは主に30~50代、7割が女性だという。
「甘くない」から、ひと手間かけた「微糖紅茶」へ
4月には5種類のフルーツを配合したフルーツティーがラインアップに加わり、「ザ・マイスターズ」シリーズの新しいCMが放映されているが、マーケティングのシニアブランドマネージャー・加藤麻里子氏によれば、今回は戦略を更新しているという。
「発売から2年間は"甘くない"ことを徹底して伝えてきました。これは『午後の紅茶』には甘いというイメージが定着しており、"午後の紅茶なのに甘くない"という意外性が大きな引きになっていたからです」
しかし甘くないことが認知され、販売も好調なこのタイミングでは、「微糖紅茶」というジャンルであることを伝えていきたいという。紅茶飲料のナンバーワンブランドとして、紅茶の微糖サブカテゴリを確立することを視野に入れた戦略だ。広告や店頭ツールでもそれを伝えるため、あちこちに「微糖」の文字が入る。パッケージでも目立つように、左上に大きく「微糖」という文字が配置された。
これまでは、無糖ではないけれど甘くない嗜好飲料としてはコーヒー、特にミルクティーに相当するものとしてはカフェラテが存在していた。そこに新たな選択肢として微糖紅茶を定着させ、飲用シーンを広げたい考えだ。
「覚醒のイメージが強いコーヒーはシャキッとしたい時に、休息やリラックスしたい時には紅茶と、お客様の求めるベネフィットは違うため、差別化できると思います」
※1 午後の紅茶ミルクティー比/ レモンティー比