新しさと楽しさを演出。
オレンジティーからフルーツティーへ
「ザ・マイスターズ」シリーズには、昨年登場したオレンジティーに代わって、フルーツティーが加わった。商品開発にあたっては、オレンジティーに加えてアップルティーやピーチティーといった、1種類のフルーツティーのラインアップを増やすという選択肢もあったそうだ。しかし、どれか1種類のフルーツだと好みが分かれてしまう。たとえば、もともと桃が好きな人であればピーチティーを好むが、それ以外の人にはあまり刺さらない。一方、5種類のミックスだと、どのフルーツ好きの人にも評価が高かった。万人受けするおいしさを考慮した結果、ラインアップの強化ではなく、オレンジから5種類のフルーツへの変更が決まった。
また容器入り商品だけではなく、カフェやティースタンドなどを含めて市場のトレンドを探っていく中、「新しさ」や「楽しさ」が求められていることがわかった。同社ではこれまで1種類または2種類のフルーツ紅茶を販売してきたため、5種類のミックスタイプは目新しさの点でも期待が持てることから開発が決まった。
奇しくも同時期に、他社からも5種類のフルーツを使ったフルーツティーの発売がリリースされた。もともとの購買層が異なるシリーズであり、他社は有糖の製品であることから、微糖の「ザ・マイスターズ」とは競合しないだろうというのが加藤氏の考えだ。しかし、2社がほぼ同時に発表したことで、期せずしてフルーツティーが注目のジャンルであることは証明されたようだ。
トロピカーナのノウハウを参考にフルーティーさを実現
「午後の紅茶 ザ・マイスターズ フルーツティー」には、りんご・レモンの果汁と、もも・マスカット・いちごのエキスが使用され、フルーツの芳醇な香りが楽しめる。果汁はその名のとおり果物を搾った汁、エキスは味や香りを抽出した成分だ。この種類と配合についても、甘さと同様、社内での試行錯誤とユーザーテストを繰り返して決まった。
実際に自分たちで、いろいろなフルーツを使用して紅茶を淹れたり、ジュースなどフルーツミックス製品を試飲したりして果物の種類を決めた。しかし、最初のうちは、特定の果物の味や香りだけが目立ってしまい、ブレンドした味にはなかなか到達しなかったそうだ。マーケティングチームとしては、同社の果汁製品、トロピカーナのフルーツブレンドに近い味というオーダーを出した。そこで開発チームがトロピカーナのチームに話を聞き、バランスの良い味と香りの開発に成功したという。
もちろん、紅茶の風味も大切だ。一時期はフルーツミックス飲料としてはおいしいものの、紅茶が感じられなくなってしまったこともあるという。フルーツのミックス感、紅茶とフルーツのバランス、そして甘みの強さ、それらの微調整を繰り返し、通常の2倍ほどのユーザーテストを行って商品が出来上がった。
定番のミルクティーに、新しく華やかなフルーツティーが加わったことで、微糖紅茶カテゴリがますます充実することを期待したい。
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