ビジネスパーソンにとって時計は個性を主張し、相手に印象付ける重要なアイテムだ。名門オーデマ ピゲはその頼れる存在となり、そして時には自身を鼓舞してくれるだろう。(文・柴田 充/写真・奥山栄一)
18Kピンクゴールド×セラミックケース、ケース径41mm、3気圧防水、スモークグレーダイヤル、ラバー加工ストラップ。495万円(税込み)
常に時代を刷新してきた
名門が放つ新たな“コード”
オーデマ ピゲは、スイス三大高級時計の一つに数えられる名門として、世界中の時計愛好家から信奉と憧憬の的になっている。1875年にスイスのル・ブラッシュで創業し、以来146年の間、直系一族により一度も途切れることなく時計製作を続けている。
その歴史は伝統的な技術を継承するばかりでなく、スイス時計を刷新するような革新を常に追求してきた。数多くのエポックメーキングでも代表格に挙がるのが、1972年に発表した「ロイヤル オーク」だ。
このモデルは高級ドレスウオッチの世界に初めてステンレススティールを採用し、“ラグジュアリースポーツウオッチ”という新たなジャンルを開拓した金字塔として名高い。半世紀近くたった現在も、人気は衰えるどころかトレンドをリードし続け、魅力をさらに増している。
そうしたゲームチェンジャーの本領を発揮し、26年ぶりに満を持して2019年に発表したニューコレクションが「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」だ。時計らしからぬコレクションネームはChallenge(挑戦)、Own(継承)、Dare(追求心)、Evolve(進化)という四つの言葉のイニシャルに由来し、変わることなく継承し続けるブランドの遺伝子コードを示している。
デビューではミニッツリピーター スーパーソヌリを筆頭に、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン オープンワーク、フライング トゥールビヨンといったコンプリケーションから、スポーティーなクロノグラフ、シンプルな3針まで一挙13型を発表した。これも異例なこと。フルコレクションをそろえたスタートダッシュは、まさにブランドのメインコレクションとして完璧な幕を切って落としたのだ。
だがそれさえもストーリーのプロローグにすぎなかったといえるだろう。翌年にはフライング トゥールビヨン クロノグラフに加え、バイカラーのケースと5色のカラーバリエーションを発表。そして3年目を迎えた今年、新たなクロノグラフが登場した。果たしてそれは、これまでの「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」のイメージを覆すといってもいいほどの、先進性にあふれていたのだ。