ジャガー・ランドローバーが全モデルEV化でモビリティ変革に挑む理由

「Reimagine」への第一歩、EVやHVを続々と日本で導入

北川 ところで、ジャガーは5月末に新しいモデルを日本国内で発表されたそうですね。「Reimagine」戦略における今回の新モデルの位置付けを教えていただけますか。

マグナス 先ほども申し上げたように、ジャガーは今後全ての車種をEV、もしくはFCVに転換する計画です。

 ひと言で申し上げれば、今回投入した新モデルであるジャガー E-PACE PHEVは、そのジャガーが目指しているラインアップの「フルEV化」への第一歩です。ジャガーでは、すでにI-PACEというフルEVを導入していますが、その他のモデルも順次電動化していきます。

ジャガー・ランドローバーが全モデルEV化でモビリティ変革に挑む理由今回、投入した新モデルのジャガー E-PACE PHEVは「フルEV化」への第一歩

 今回の新モデル投入をきっかけに、世界規模でEVを展開していきます。ただし、国・地域によっては充電設備の整備状況やエネルギーコストの問題もありますので、一気にEVシフトを進めることはできません。

 そこで、環境が整うまでの間をつなぐものとして、当面は二つのブリッジ(橋渡し)技術を搭載したモデルを提供していきます。一つはマイルドハイブリッド技術を使ったモデルです。小型のエンジンとEV駆動モーター、バッテリーを搭載することで、航続距離は短いものの、排出ガスを一定程度抑えることができます。

 もう一つはPHEV技術です。これは、マイルドハイブリッドよりも大型のモーターやバッテリーを搭載し、長距離を走れるようにします。PHEVはすでにランドローバーで提供していますが、今回の新モデルに続きジャガーにも展開していきます。

 繰り返しになりますが、これらはあくまでも橋渡しの技術であり、ジャガーが目指すのはあくまでも全てのモデルの「フルEV化」です。

不透明だが「エキサイティングな時代」

北川 スマートドライブが主催するカンファレンス「Mobility Transformation 2021」が6月29~30日に開催されます。今回はモビリティ変革の中でも、特にEVに焦点を当てた内容になる予定で、自動車メーカー以外にも、エネルギー企業などをお招きして、いろいろな視点からお話をしていただきたいと思っています。

 ジャガー・ランドローバーを代表してマグナスさんにもご登壇いただく予定ですが、講演に先立ち、ひと言メッセージを頂けますか。

ジャガー・ランドローバーが全モデルEV化でモビリティ変革に挑む理由

マグナス 私たちは非常に不透明性の高い時代に生きていますが、一方で長期的にモビリティを大きく変えていくということ、そしてサステナビリティを実現できる時代に遭遇しています。非常にワクワクする時代だと思います。将来がどうなっていくのかは誰も分かりません。しかしながら、私たち全員が何らかの貢献をし、未来を生み出していかなければなりません。

 そのためには、私たちの能力や創造性を発揮していかなければなりません。自動車メーカー、エネルギー企業、ソフトウエアプロバイダーといったさまざまな企業がどのような役割を果たすのか。それは誰にも分からないのです。ですから、非常にエキサイティングな時代に私たちは生きていると思います。

 もちろん、私たちは謙虚でなければなりません。誰もが答えを持っているわけではないので、段階的に進んでいかなければならないのです。しかしながら個人的に申し上げれば、非常にいろんなことができる、「ワクワクする時代」に生きていると思っています。

 カンファレンスでは、ぜひ、その「ワクワク」を皆さまと共有できればと思います。お会いできるのをとても楽しみにしています。

●問い合わせ先
株式会社スマートドライブ
〒100-0006
東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー12階(東京ミッドタウン日比谷)
URL:https://smartdrive.co.jp/

「Mobility Transformation 2021」についてはこちらから
URL:https://www.mobility-transformation.com/conference/mt2021/
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