ネットによる"口撃"は企業のブランドイメージを著しく損なう。怖いのは人間であり、"ネット人災"はどの企業でも起こり得る。その予防のために開発されたのが「第3の履歴書」。ウェブ上の履歴を専門家が追跡し、履歴書や面接では見えない人物の健全度を確認するサービスだ。
ソルナ
三澤和則
代表取締役社長
三澤和則
代表取締役社長
良かれと信じて採用した人材が、入社後にトラブルを起こし、それがネットで拡散して、企業が深刻なダメージを受ける。今、多くの企業がそうした人的リスクにさらされている。そもそも、履歴書や職務経歴書、面談だけで、人物の本質を見抜くのは難しい。
「当社が開発した『ネットの履歴書』は、特定の人物に関するネット上のログ(本人の書き込みや本人への評判)を、ウェブの専門手法と心理学的知見を用いて収集、解析し、その素性を浮かび上がらせるサービスです。これまでの履歴書が自己申告に基づくものであるのに対し、『ネットの履歴書』は本人の関知しないところで本質を明らかにしたもの。履歴書や職務経歴書に次ぐ、いわば"第3の履歴書"と言うべきもので、企業はこのレポートを活用することで応募者の健全度を判断することができます」。ソルナの三澤和則社長はそう説明する。
「ネットの履歴書」の開発に当たっては、認知心理学・行動心理学の専門家である信州大学人文学部教授の菊池聡氏や、サイバー犯罪捜査を担当していたSNS追跡調査のプロ、元千葉県警警部補の森雅人氏らが監修した。ネットという匿名性の中では、その人物の本質に近い投稿がなされるため、匿名アカウントも追跡しながら、犯罪歴や活動歴、暴力的な発言や大量のネガティブ投稿など、トラブルの有無や傾向を調査する。同社のこれまでのデータによれば、調査人数の約23%に何かしらの問題が発見されたという。