言語切り替えシステムで迅速な海外配信を実現


──人気IPの獲得は競合が激しいのでは?

 確かにそうです。そんな環境の中で当社が獲得できている要因の一つは『BLEACH Brave Souls』や『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』など、この10年間で数多くのIPのゲームをグローバル市場でヒットさせ、成果を出してきていることで、このことに対する版権元の期待と信頼感を醸成できているからだと考えています。

 もう一つは、原作の世界観を壊さないルールをしっかり順守していることです。ゲーム開発・運営では原作の設定やキャラクターを使いながら数多くのサブストーリーを創っていきますが、その品質も高く評価していただいています。だからこそ、「エンディングがない」というオンラインゲームの特性を活かし、長期にわたる収益化ができているのです。

──「海外展開を見据えたゲーム開発」にはどんな特徴がありますか。

 当社では、最初からプログラムに「言語切り替え(多言語化)システム」を組み込み、グローバル配信を前提としたゲーム開発を行っています。ですから、コストを抑えながら迅速な海外配信が可能なのです。テキスト量によって変わりますが、日本版のリリースから3~6カ月程度で他言語版をリリースできます。もちろん、最初から複数言語を実装すれば、グローバル同時リリースすることもできます。

 2010年代はじめに立ち上がったモバイルオンラインゲームの日本市場は、たちまち巨大なマーケットになりました。そのため、多くの日本のメーカーは国内向け(日本語版)のゲームを作りました。しかし、海外展開を行うには言語ごとに一からプログラムを作り直さなければならない。そうなるとリリースまでに年単位でかかることも珍しくなく、運営チームを二重化し、コストもかさみます。ですから、世界市場が拡大した今、当社のグローバル配信を前提とした多言語化システム、グローバル同時運営対応が大きな強みになっているわけです。

 各ゲームタイトルのマーケティングに関しては、国・地域という枠を超えてコンテンツを愛するファンがつながっていけるように、ゲームのアップデートやイベント、SNSを通じてグローバルに情報を発信しています。