海外向けゲームの開発支援ビジネスも始動

海外のエキスポ(展示会)にも出展。上がフランスで開催されたジャパンエキスポ2019、下がドバイコミコン2019


──海外のデベロッパー(開発・運営会社)を活用し、海外向けゲーム開発を支援するビジネスも始まっていますね。

 海外での収益獲得を目指す日本の版権元から当社がIPのライセンスを受け、それを海外のデベロッパーにサブライセンスし、ゲームを共同開発するというビジネスモデルです。

 この事業は、版権元の「海外でゲームをリリースする際、作品の世界観や魅力がしっかり伝わるようにしてほしい」という意向を受けたもので、ゲーム開発自体は海外企業が行うものの、当社がプロジェクトの管理・監修を行います。この結果、海外のデベロッパーが共同開発したゲームは中国市場をはじめ、世界中でヒットしています。

 今後も同様のビジネスモデルで、今までビジネス化されていない地域でのライセンス収入を得たいという版権元のニーズに応えていきたいと考えています。

──中でも、中国企業と組んで中国市場向けのゲームを開発したいという日本の版権元が多いようですが。

 はい。中国の開発会社は技術力が高く、かつ中国国内でゲームを配信するには免許が必要なので、中国の有力デベロッパーと組むメリットは大きいといえます。ただ、日本と中国のエンターテインメント業界の商習慣には大きな違いがあって、そのために想像以上に多くの問題や課題が発生します。原作の世界観を壊さないということ一つ取っても、感覚的なことなので意図が伝わりにくいのです。

 この点、当社では上海に拠点を置く現地法人「KLab China」が間に入り、ゲームビジネスに精通し、日本のIPビジネスと中国のビジネス事情の双方にも精通したバイリンガルのスタッフが、版権元とデベロッパーの双方のニーズをくみ取りながら、プロジェクトをスムーズに進めています。


──最後に、これから大きく育てていく事業について教えてください。

 2つあります。一つは「カジュアルゲーム事業」です。自社での開発を進める一方で、同ゲームの開発を行うグローバルギアの全株式を21年4月に取得し、子会社化しました。同社は国内向けに100タイトル以上を配信していますが、今後はその中の人気タイトルの海外配信などの展開を予定しています。

 もう一つは「オリジナルIPの原作開発事業」です。直近では、青春とアカペラをテーマとする音楽原作プロジェクト『アオペラ -aoppella!?-』を立ち上げ、21年3月に発表しました。プロジェクト発表時にYoutubeの公式チャンネルで公開したJ-POPカバー曲は1週間でMV100万回再生、2週間でチャンネル登録者数10万人を突破するなど、出だしは上々で、5月にはCDも発売されました。また、すでに第2弾のカバー曲、オリジナル楽曲の制作、催事物販なども決定しています。最初からゲーム化を前提としないオリジナルIPの原作開発事業を、将来的な収益源として中長期で育成していく方針です。

『BLEACH Brave Souls』  
©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
©KLabGames

『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』
©高橋陽一/集英社
©高橋陽一/集英社・テレビ東京・エノキフィルム
原作「キャプテン翼」高橋陽一(集英社文庫コミック版)
©KLabGames

『アオペラ -aoppella!?-』
©KLab

●問い合わせ先
KLab株式会社
〒106-6122 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
MAIL:pr@klab.com
URL:https://www.klab.com/jp/