一人一人のアクションが地域課題の解決に貢献するとき 〜実証実験を重ねるデジタル地域通貨サービス

3Xで社会はどう変わるか【第1回】

地域の課題に適した
地域通貨の仕組みを実現

 ユーザーから見える仕組みはシンプルで、スマホでQRコードを読み込むことでポイントをためたり、地域通貨をチャージすることができる。キャッシュレス決済が普及した中では利用に違和感がないことに加え、サービスを提供する側にとってもICカード読み取り機のような専用端末が必要なく、小さなお店や、移動店舗やイベント出店などでも導入しやすいという利点がある(図表2)。

図表2」

 このような地域通貨、地域ポイントの発行を支えているのはブロックチェーン技術である。ブロックチェーンは改ざんされにくく、情報の信頼性を担保できるため、地域通貨やポイントの発行・管理に適している。

 また、地域通貨や、各種ポイントやデジタルチケットなど、異なる経済的価値として扱われるものを同じ環境で発行・管理できるカラードコインを装備することで、1つのシステムでさまざまな行動変容を促し、多様な課題を同時に解決できるという利点もある(図表3)。

「図表3」

Region Ring™の構造

「地域によって重視したいテーマは多岐にわたると思いますが、この仕組みを使えば無理なく実現できます。従来は、地域通貨や環境ポイント、健康ポイントなど、価値が異なるものを流通させるには、システムもそれぞれ用意しなければなりませんでした。しかし、Region Ring™は1つのプラットフォームでこれを実現できるので、信頼性の高い環境をリーズナブルに提供でき、多様な課題の同時解決を実現できます」(早川氏)

 さらに、このシステムには利用促進のための仕組みもある。キャンペーンやイベント期間などに応じて地域通貨の価値を変化させる「減価・消滅」機能(特許取得済み)がそれで、塩漬けになることを防いでインセンティブの利用を促進し、消費を喚起することを実証済みだ。

 こうした特徴と仕組みを備えたRegion Ring™は、現在、「地域通貨」「地域ポイント」「福祉サービスの利用券・金券」という3種の経済価値を発行・付与するサービスを提供している。

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