Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語る

特別広告企画 従業員体験(EX)の向上

生産性向上という日本企業にとっての長年の課題に加え、働き方改革やパンデミック(感染症の世界的流行)対応といった社会的課題の面からも、デジタルファーストの働き方が今、求められている。

働く場所と時間の柔軟性を確保しながら、あたかもオフィスにいるかのようなつながりと創造性を生み出す働き方。それは、デジタルインフラなくしては実現できないからである。

そうしたデジタルファーストの働き方を目指す企業の間で、メッセージプラットフォーム「Slack(スラック)」の導入が急速に広がっている。Slackの全社活用を自らリードし、組織を変革していった2人の経営者を取材した。

従業員が生み出す顧客体験こそが競争優位の源泉

 東京・六本木ヒルズにあるカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)」。CRISP(東京都港区)が運営するこの店は、野菜やハム、チキン、チーズ、雑穀米、豆腐などの豊富な具材と数種類の自家製ドレッシングを、自分の好みで自由に組み合わせられるカスタムサラダが人気で、周辺の住民や六本木ヒルズで働くオフィスワーカーなどにコアなファンを持つ。

 その同店で6月のある日、飲み物を提供するためのドリンクサーバーが動かなくなった。普通の飲食店なら、店舗スタッフが店長や本部の担当者に状況を報告し、業者に修理を依頼するところだが、同店のスタッフはおもむろにスマートフォンを取り出し、Slackのチャンネルに質問を投稿した。

 するとわずか数分後には、同じような故障を経験したことのあるCRISPの他店のスタッフから、Slackに修理アドバイスのメッセージが投稿され、機械トラブルに対応することができた。

 このスタッフが質問を投げ掛けたのは、CRISPの社内全体に公開されているオープンなパブリックチャンネルの一つ「質問箱」だ。困ったことや分からないことなどがあれば、誰でも質問を投稿することができ、答えや対処法を知っている人がアドバイスしてくれる。

 CRISPは現在、都内に19店舗を展開しているが、パート・アルバイトを含む全従業員500人弱に有料版のSlackアカウントを付与している。その目的は、従業員の情報格差をなくし、一人一人に最高のパフォーマンスを発揮してもらうことにある。

「当社のように幾つもの拠点を持つ企業だと、通常は現場で起きた何らかのトラブルは、店長、エリアマネージャー、本部の責任者といったように複数の階層を経て伝わっていきます。そして、同じように階層を経て指示が下りてくる。その間、現場スタッフは何もできないし、お客さまのことはほったらかしになってしまいます」。そう語るのは、CRISPの宮野浩史社長だ。

Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語るCRISP
宮野浩史 代表取締役社長
1981年千葉県生まれ。15歳で渡米し、18歳のときに現地で飲食業を起業。22歳で帰国し、大手カフェチェーンで新業態の運営に携わった後、ブリトー&タコス専門店「フリホーレス ブリトー&タコス」を立ち上げる。現在はカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」の展開を通じて、デジタルトランスフォーメーションで既存の外食業界にイノベーションを起こすことを目指す。

 だが、CRISPの場合はSlackを活用して組織全体で、オープンでフラットなコミュニケーションを実現している。ITシステムにトラブルがあった場合でも、Slackの「#all-誰に聞いたらいいかわからない質問(ヘルプチャンネル)」ですぐに解決策を聞ける。こうした互いに情報や知識を共有し合い、助け合う環境を構築することで従業員体験が高まり、そして何より顧客体験を高めることができる。

 宮野社長は、「料理でも業態でもなく、従業員が生み出す顧客体験こそが飲食店の価値、競争優位の源泉になる」と考えている。だからこそ、情報や知識の格差をなくし、従業員をエンパワー(力づけ)することを心掛けているのだ。

テクノロジーの活用は、暗闇に明かりをともす行為

「日本の飲食業や小売業で働いている人たちは、海外と比べても間違いなく優秀です」。10代後半から20代の初めまでを米国で過ごし、かの地で起業した経験を持つ宮野社長は、実感を込めてそう言い切る。

 「でも、どれだけ優秀な人がいても、情報や知識がなければ真っ暗闇で仕事をするようなものです。テクノロジーの活用は、その暗闇に明かりをともす行為だと考えています。明るくなれば、一人一人のパフォーマンスが一気に上がります」

 Slackを使ったCRISPの情報公開ぶりは徹底している。原則として全てのコミュニケーションはSlackで行い、社内メールは禁止。オンラインでもオフラインでも会議は最低限とし、Google Workspaceなどのアプリと連携させることで、仕事はなるべくSlack上で完結させている。経費精算や振り込み依頼、売り上げ報告なども全てSlackのパブリックチャンネルで行う。ちなみにSlackは2500以上の外部アプリやITツールと連携が可能であり、チャンネル内で一元的に操作できる。

 Slackは高度なセキュリティーが担保されているため、重要なデータを安心してやりとりすることが可能だ。CRISPが、パブリックチャンネルでやりとりしていないのは、個人情報や人事評価などごく一部に限られる。

Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語る宮野社長自身、Slackのパブリックチャネルで積極的に情報の発信や共有を行っている
 
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