Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語る

 石井食品は1945年の創業以降、真空保存技術を武器に佃煮、煮豆の製造・販売で成長し、70年代に看板商品となるチキンハンバーグ、イシイのおべんとクン ミートボールが誕生して全国区のメーカーとなり、90年代に入ると無添加調理(*)に挑戦。97年以降、全ての商品を無添加調理へとシフトした。

*石井食品は、製造過程において食品添加物を使用していない。

 ほぼ20年に1度のサイクルでビジネスモデルを変革してきた同社は現在、第4の創業期を迎えたと石井社長は捉えている。

 「今までは大量生産、大量消費に合わせたビジネスモデルでした。なるべく安く、安定的に食材を調達して、低コストで製造、全国均一に配荷していくというビジネスです。これからは、こだわりを持った生産者と提携し、商品開発も一緒に行いながら、その土地ごとの旬のおいしさを消費者に届けていく、そんな仕組みを構築しているところです」

 そうした新たなビジネスモデルへと変革していく上でも、Slackは欠かせない存在となりそうだ。「Slackをはじめとしたデジタルインフラを整備することで、自発的に動いてくれる人が、以前よりも増えたことは大きな収穫です。彼らが生き生きと働きながら、自律的に組織をけん引してくれれば、第4創業期のビジネスモデルは必ず構築できます」。石井社長はそう締めくくった。

Slackは「未来の働き方」を実現する

 パンデミックの前後で、日本でのSlackの活用状況はどう変化したのか。また、メッセージプラットフォームとしてどう進化し続けているのか。Slack Japanの生垣侑依ビジネスグロース事業本部 ディレクターに聞いた。

――コロナの前後で、日本でのSlackの活用状況に変化はありましたか。

生垣(以下、略) コロナ前後で何かが大きく変わったということはなく、引き続きさまざまな業界の企業や公的機関、教育機関で導入が進んでいます。

 北米で2014年2月にサービスを開始したSlackは、今や150カ国以上で1250万人の日間アクティブユーザーを持つ巨大なメッセージプラットフォームとなりました。日本は北米に次ぐ第2位の市場となっており、売り上げは21年1月までの1年間で前年対比76%増、有料版のユーザー数も79%増と急速に伸びています。

Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語るSlack Japan
ビジネスグロース事業本部
生垣侑依ディレクター

――有料版に移行するメリットは何でしょうか。

 大きくは二つあります。一つは、生産性を大きく高められること、もう一つはガバナンスとセキュリティーを強化できることです。

 有料版に切り替えると、メッセージの保存件数や連携可能なアプリの上限がなくなります。メールで限られた人だけがやりとりしていると、情報やナレッジが属人化してしまいますが、全てのメッセージを保存し、それが検索可能になれば、組織全体での情報の管理と資産化を実現できます。

 またSlackでは、2500以上のアプリと簡単に連携したり、ボット(自動化プログラム)を実装したり、プログラミングの経験がなくてもワークフロービルダーを使用して簡単にワークフローを組み立てたりすることができ、業務の生産性とスピードが飛躍的に高まります。

 一方、ガバナンスとセキュリティーについては、急成長する組織で課題となるIDやデバイスの管理を、有料版では容易にできる機能があります。監査に対応できるよう、Slack上のあらゆる情報をエクスポートすることもできます。また、Slack Enterprise Key Management(エンタープライズ・キーマネジメント)の機能を活用すれば、金融機関や行政などが求めるレベルにまで、ガバナンスやセキュリティーを強化することが可能です。

――Slackを組織全体で展開したいと考えている企業を、Slack Japanではどうサポートしていますか。

 一定規模以上の法人契約の企業に対しては、カスタマーサクセスチームがサポートするほか、アビームコンサルティングやリックソフト、日本IBMといった外部のサービスパートナーによる有料サービスも提供しています。また、オンライン上でもSlackについて学べるウェビナーを頻繁に開催し、日本語でユーザーの自主学習を支援するコンテンツもどんどん増やしています。

 カスタマーサクセスチームは、お客さまがSlackの活用によって成し遂げたい経営のゴールや、組織として目指していきたい働き方のイメージを明確にして、一緒に定着プランを立てることも得意としています。

――企業が時間や場所にとらわれない、より柔軟な働き方を実現する上で大きな役割を果たすSlackの新機能について教えてください

 Slackは今後の新しい働き方の実現に向けて、三つの機能(*1)を新たに加えました。一つ目は、「Slackハドルミーティング」という音声通話機能で、チャンネル上にいるチームメンバー同士が気軽に会話できるようになります。オフィスで隣の人と自然に会話するような環境を、非対面で再現するものです。

*1 場所を問わずに仕事を進めるSlackの新ツール

Slackを全面導入したら、デジタルファーストが加速した。気鋭の経営者たちは語るSlackの3つの新機能の一つ「Slackハドルミーティング」では、隣の人と自然に会話するような環境を、Slack上で再現する

 二つ目は、「ビデオ、音声、画面の録画機能」です。これは、Slack上で直接ビデオや音声、画面を簡単に録画して、簡単に共有できる機能で、Slack上で共有された録画コンテンツはそれぞれのメンバーが都合のいい時間に見ることができ、後から検索することも可能です。全体会議の時間を短縮したり、非同期でのコミュニケーションの幅を広げたりするのにとても役立ちます。

 そして、三つ目が「予約送信機能」。これは無料版でも利用可能で、時間を設定してメッセージを投稿することができます。例えば、夜遅くにメッセージを送るのは気が引けることがあると思いますが、そういう場合は翌朝9時に投稿されるよう時間を設定できます。

 Slackが主宰するシンクタンク「Future Forum」にて行った調査(*2)によると、日本や米国、英国など6カ国のナレッジワーカーの93%が柔軟なスケジュールで働くことを求めているほか、76%が働く場所の柔軟性を求めていることが明らかになりました。

*2 ポストコロナの世界で人材獲得競争に勝つには

 一人一人のナレッジワーカーが、最適な時間と場所で働くことができるデジタルファーストの職場環境を整え、働き方を再構築することで従業員エンゲージメントが高まり、ひいては人材獲得競争で優位性を築くことにもつながります。

●問い合わせ先
Slack Japan株式会社
https://slack.com/intl/ja-jp/contact-sales

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