個々人へアプローチする新たな常識「パーソナル防災」が自助・共助・公助のこれからをつくり出す

3Xで社会はどう変わるか【第2回】

効率性と利便性を犠牲にしない
防災・減災対策とは

 度重なる災害によってもたらされた意識や行動の変化・連鎖は、言うまでもなく望ましいものであり、被害を最小限にとどめるための重要な要素になる。このような動きをさらに一歩進めれば、日常の効率性や利便性が損なわれない防災・減災対策が実現できるはずである。

三菱総合研究所科学・安全事業本部研究員 東穂いづみ氏

「デジタルやコミュニケーションの技術を使って、平時からつながりをつくっておくことが重要です。さらに、災害時はそうしたつながりを生かし、避難、復旧を支援していくという態勢ができれば、災害に強い社会としての持続性が生まれると思います」

 三菱総合研究所セーフティ&インダストリー本部の東穂いづみ氏は、このように指摘する。

 同社では、このデジタルとコミュニケーションの技術を活用し、個人の防災対応力を高める考え方を「パーソナル防災」として、その有効性を訴えている。これは、希薄化しつつある平時のコミュニティの再活性化にもつながるもので、自助・共助・公助を駆動しやすくすることを意図する。

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