ネットを使った業務の日常化とともに、「つながらない」「途切れる」「遅い」といった接続トラブルに悩まされる場面が増えている。せっかくの商談が台無しになったり、会議が長引いて、ついイライラしたりすることも。そんな悩みをAIが自動で解決し、先々の不具合を予測しながら改善できる革新的なマネージドWi-Fiサービスが登場した。
不具合の多くは、“Wi-Fi以外”の原因によって起こる
マーケティング戦略本部 マーケティング推進部
プロダクトスペシャリスト 正木 亮氏
コロナ禍が長引く中、在宅勤務からオフィスワークへと“働く場所”を逆戻りさせる動きが広がっている。自宅に比べてWi-Fi環境が整っているオフィスなら、さぞ快適に仕事ができるだろうと思いきや、大切なリモート商談や会議の途中でネットにつながらなくなったり、途切れてしまったりと、むしろ障害に悩まされるケースが珍しくないようだ。
自宅よりもオフィスの方がWi-Fi環境は整っていることが多いはずなのに、なぜつながりにくいのか? 普通に考えると、1台のアクセスポイントに何台もの端末が同時に接続して混雑するからだと思い込みがちだ。実際、リモート商談や会議などが集中する時間帯は、何十、何百という端末が同時に接続することもある。
では、アクセスポイントを増やし、社員が多くいる場所に重点的に再配置すれば、問題は解決できるのだろうか?
「残念ながら、アクセスポイントの数や位置を変えても、接続が改善されるとは限りません。なぜなら不具合の原因がWi-Fiそのものとは限らないからです」
そう語るのは、ネットワークやセキュリティ関連のソリューションを提供するジェイズ・コミュニケーションのマーケティング戦略本部マーケティング推進部プロダクトスペシャリストの正木亮氏である。
アクセスポイント以外にも不調の原因が隠れている
正木氏によると、Wi-Fiが「つながらない」「途切れる」「遅い」といった問題は、必ずしもWi-Fiそのものが原因だとは限らず、有線ネットワーク、DNS、DHCP、認証など、原因は多岐にわたるという。
そもそも、アクセスする端末自体が何らかの障害を抱えていて、つながりにくくなっているケースもある。
「例えば認証やDNSに不具合があれば、どんなにWi-Fiが正常な電波を発しても、端末は反応しにくくなってしまいます。一方ユーザからは、原因を問わず、“Wi-Fiがつながらない”ように見えてしまうのが、悩ましいところです」(正木氏)
問題は、こうしたアクセスポイント以外の原因が特定しにくいことだ。情報システム部門の担当者は、アクセスポイントが正常に働いているかどうかはログで管理できるが、それ以外の原因は特定が困難で、どれほど影響を及ぼしているのかも分かりにくい。
「社内から『ネットがつながらない』というクレームを受けたけれど、ログを見るとアクセスポイントは正常に電波を発している。『それでは一体何が原因なのか?』と途方に暮れた経験がある情報システム部門の担当者も少なくないのではないでしょうか」(正木氏)
Wi-Fi技術はこの10年で急速な進化を遂げており、最新規格の「Wi-Fi 6」では、一つのアクセスポイントにいくつもの端末が接続し、多数の電波が飛び交うような状況でも高速通信を安定維持できるようになっている。
余分なお金をかけてむやみにアクセスポイントを増やさなくても、“Wi-Fi以外”の原因に適切に対処できれば、問題は解決するはずだ。
ではどうすれば、その原因を「見える化」できるのだろうか。