ワールドクラスを目指すならば、日本企業は腹をくくって「仕組み化」せよ

ワールドクラスの企業は時間をかけて、オペレーティングモデルを進化させてきた。その取り組みに伴走してきたのがジェンパクトである。BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業で知られる同社だが、近年は顧客企業の変革をサポートするトランスフォーメーションサービスプロバイダーとして存在感を高めている。7月27日に開催されたウェブセミナー「ワールドクラスの経営」での、ジェンパクトの田中淳一社長の講演内容を紹介する。

ワールドクラス企業と比べて
日本企業は何が違うのか

 GEグループのシェアードサービスセンターとして設立されたジェンパクトは、2005年にGEから独立し、外販を拡大してきた。同社はGEだけでなく、多くの企業の間接業務を受託する中で、幅広いノウハウや知見を培ってきた。

「もともとはBPO事業が中心でしたが、最近はデジタルと人の力を組み合わせて付加価値を提供する事業も拡大しています。プロセスを軸に、お客さまの変革をサポートする。私たちはトランスフォーメーションサービスプロバイダーです」とジェンパクトの田中淳一社長は語る。

ワールドクラスを目指すならば、日本企業は腹をくくって「仕組み化」せよジェンパクト
田中淳一
代表取締役社長 グローバルシニアバイスプレジデント

 ワールドクラスの顧客とも強固な関係を持つ田中社長は、ワールドクラス企業と日本企業の違いをこう説明する。

「個別の施策を見れば、ワールドクラス企業と日本企業の差はほとんどないはずです。違いは『仕組み化』にあります。仕組み化して徹底的にコミットし、愚直にやり続ける。その執念こそが、ワールドクラス企業の強さだと思います」

 長期雇用を前提とする日本企業では、それぞれの職場の熟練者にノウハウがたまり、業務が属人化するケースが多い。一方、欧米では人材の流動性が高い。

「業務が属人化していれば、誰かが退職した途端にプロセスが動かなくなるかもしれません。人材の流動性が高い環境において、仕組み化が重視されるのは当然のことでしょう」と田中社長は言う。

 ワールドクラス企業は、時間をかけてオペレーティングモデルとその仕組みを進化させてきた。仕組み化には幾つかのタイプがある。以下では、プロセス主導型とデータドリブン型について説明する。

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