本当に学びたい人に
時間と場所にしばられない学びを提供
もう一点、採用教育部では、誰にでも満遍なく教育の機会を与えるという趣旨で各階層(新入社員、3年目の社員、係長、課長、部長級など)向けの研修制度を用意しているのだが、「選ばれた階層だけの研修でいいのか、誰でも参加できる研修を用意すべきではないかという議論もあった」と長嶋将士人事室採用教育部マネジャーは振り返る。
人事室採用教育部マネジャー
長嶋将士氏
採用教育部としては、まず時間の制限、場所の制限、距離の制限のないサービスを検討、さらに内容も小売業だから接客や食品の技術スキル、というだけではなく、経営、財務、マーケティング、リーダーシップ、コミュニケーション等のビジネススキル全般を学べるようなプログラムが希望だったという。「今や、どんな業界においても、ビジネススキルを学ぶのは必須ですから」(長嶋マネジャー)。
導入に際しては複数のサービスを比較、費用対効果を検討して「グロービス学び放題」に白羽の矢を立てた。「実はグループ会社が既に採用しており、確実に成果が上がっているという信頼感もありました」(長嶋マネジャー)。
そして2021年3月に、やる気のある社員は誰でも受講できる、全社員に向けての公募制とし、受講者を募ったところ、約20日間の募集期間にもかかわらず800人超が自発的に手を挙げた。「これは予想を超える反響でしたね」(山本総括マネジャー)。
通勤時にスマホで視聴、
学びを深める社員も!
受講は4月1日から1年間。自由に学べるサービスながら、幹部・経営層の部長クラス、課長クラス、係長クラス、一般社員、新入社員の5つの階層に分けて社内コースを設定し、各コースに対して、オリジナルのカリキュラムを設定。受講条件として年間30時間以上を学ぶこととし、20時間は各階層に応じて必須となる科目を指定し基礎的な内容を学び、10時間は受講者のスキルアップに応じて自由に選べる制度とした。
全階層の必須科目は「会計・財務」とした。社内での研修が今までなかったことに加え、小売業として「会計・財務」の基本的な知識を理解することが大切だと考えたからだ。その他の必須項目の一例を挙げると、幹部・経営層の部長クラスでは経営力を養う上で必須の「戦略・マーケティング」や「変革」等のカテゴリの動画を、また課長クラスは経営力を養う上での「戦略・マーケティング」に加えて「組織・リーダーシップ」カテゴリの動画を学ぶ。係長クラスでは戦略視点とリーダーシップ、一般社員は論理的に考える力・コミュニケーション力、新入社員は基礎的な知識の習得を目的とした動画が指定されている。
「グロービス学び放題」では動画の時間も長尺、短尺とバリエーションが用意されており、受講者が自分の時間に合わせて学べる点も特長の一つだ。「受講者の多くはスマートフォンを使って学習しているのですが、通勤時間のような隙間時間を使って効率よく学んでいるようです」(長嶋マネジャー)。