ごく短期的には、アフガンで生じる危険とチャンスの両面に対応するため、中国はすでに大きいパキスタンでの影響力をさらに拡大しようとし、ロシアは中央アジアの旧ソ連圏で同じことをするだろう。また両国は中東で進めている取り組みを加速させ、多くの場合、イランの協力を得るだろう。ホワイトハウスがこうした脅威のいずれかにも対応する準備を整えている証拠はほとんど見られない。
長期的に見ると、中ロ両国は、米国やその同盟国に脅威を与える3つの異なる戦域で自然な分業を行っている。すなわち、中国は周縁部に位置する日本から東南アジア、インド、パキスタンにかけての長い弧を描く地域、ロシアは東欧および中欧、ロシア・イラン・中国が結ぶ友好協定は中東、という具合だ。米国の計画策定においては、上記の地域および他の戦域でも同時発生する多くの脅威を熟慮しなければならない。
このことは米国から遠く離れた国益を守るには、われわれの防衛能力が限界に近づいていることを明確に示す。ジョー・バイデン米大統領が目下、国内で前例のない支出要求を行っていることを考えれば、なおさらだ。それゆえ米政府の最も重要な課題は、テロからサイバー戦争に至るまで幅広い脅威に対応するため、国防予算の大幅な増額を何とかして確保することだ。外交のみで代用することはできない。
中国の習近平国家主席は、米国が中国に一段と効果的に対抗するため、アフガンでの軍事活動を終わらせるというバイデン氏の主張には心を動かされないだろう。むしろ、中国は新たなチャンスを手に入れた。すなわち、アフガンとパキスタンでの権益を強化し、イスラム主義者のテロが中国に波及するのを防止し、周縁部で覇権を確立する(特に台湾、南シナ海、インドに関連する)取り組みを加速させることだ。
これらの取り組みは、米国のアフガンでの大失敗にとどまらず、中国が西側諸国にもたらす実存的な脅威に切れ目なくつながっている。対照的に、米政府は中国の個々の策略に対して戦術的駆け引きや臨機応変の手だてを打ち出せずに苦慮している。アフガン問題は、われわれのより深い概念的・戦略的思考をまとめる緊急の推進力となる。そうする間に、われわれは政策上の優位性を直ちにいくつか確保できる。例えば、台湾防衛のコミットメントを巡る曖昧さを排除するため、現地に軍隊を駐留させることだ。その一方で、全戦域にわたって予算を増額する必要がある。東シナ海や南シナ海で米海軍のプレゼンスを高め、それによって抑止力を確立し、領有権を主張する中国に対抗するためだ。



