中東では、イランが中国に石油供給国として選ばれ、ロシアと協力してシリアのバッシャール・アサド大統領を支援している。中ロ両国にとって、イランは地域不安定化の仕事を代行する存在であり、両国の影響力を中東全体に広げるための引き立て役でもある。最近それが如実に表れたのはロシアとサウジアラビアの間で軍事協力協定が結ばれたことだ。サウジ政府は米国が離反し、オバマ元大統領がイランと手を携えたような事態が起きるリスクに備えている。湾岸アラブ諸国は、米国のアフガン撤退について、イラクで同じことが起きる予兆ではないか、あるいは自国に置かれた主要な米空軍・海軍基地も同じ目に遭うのではと危惧している。各国がそのリスクに備えるのは当然だろう。
米国は断固として2015年のイランとの核合意に戻るべきではない。それは簡単なことだが、バイデン政権はいまだに理解していない。ここで重要なのは、イランの目的が根本的に米国の目的とも、そしてイスラエルや大半のアラブ世界の目的とも相反すると認識することだ。イランの政権交代にしか中東全体の脅威を減らす可能性はないが、それは中国とロシアが最も望まないことだ。
米国のアフガン撤退は1回限りの決定で、影響は限定的だと信じている人には気の毒だが、世界ははるかに複雑だ。結果はすでに極めて悪いものであり、中ロ両国はそれをさらに悪化させようと画策している。次はわれわれが反応する番だ。
(The Wall Street Journal/John Bolton)



