バイデン大統領米軍のアフガニスタン撤退についての会見に臨むバイデン大統領 Photo:Alex Wong/gettyimages

 アフガニスタンに駐留していた米軍は7月2日、同国の首都カブールの北約40kmにある最大の拠点バグラム空軍基地からの撤退を完了した。

 2001年10月17日に米軍が本格的な攻撃を始めて以来、19年9カ月がたつ。

 バイデン大統領は、空爆開始の契機になった「米同時多発テロ(9.11テロ事件)」から20年の節目の今年9月11日に完全撤退することを表明している。
 
「米国最長の戦争」(バイデン大統領)は、1988年5月15日、旧ソ連軍が1979年12月から8年半にわたりイスラムゲリラとの苦戦の末にアフガニスタンから撤退をし、軍事的威信を失った結果、東欧諸国の離反を招き、ソ連が崩壊したのと同様に、世界史年表にゴシック体で記される事象となるだろう。

米軍の本格撤退始まる
「米同時多発テロ」から歳月

 米国のアフガニスタン攻撃は、9.11テロ事件の黒幕とみた、アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンの引き渡しを求めたのに対して、当時のタリバン政権は同氏が首謀者だった証拠がないことなどを理由に拒否したことを名目にして行われた。

 ブッシュ大統領はテロに対する戦いを宣言。米国が主導する形で国連安全保障理事会では国連安保理決議(1368号)が採択され、NATO(北大西洋条約機構)は集団的自衛権を発動し、米英をはじめとする連合軍が10月7日から攻撃を開始した。