グループ会社が東北・西日本に住宅を供給
東北と西日本エリアでは、「タカラレーベン東北」と「タカラレーベン西日本」がグループ会社として、マンションを供給している。
会社を分けているのは、「地域に根付いた事業を展開し、不動産事業を通して地域に貢献するため」と島田氏は語る。
レーベン山形十日町 THE MID TOWER「レーベン山形十日町 THE MID TOWER」は、山形市の中心市街地に立つ最大規模の超高層マンション。市街地に人を呼び戻す役目を担う(画像はイメージパース)
東北6県をカバーするタカラレーベン東北・原忠行代表取締役は、「東北では、住民の高齢化、人口流出・人口減による中心市街地の空洞化、さらに冬になると屋根の雪下ろしの負担を抱えている。その解決に貢献したい」と思いを語る。
同社の思いを象徴する大型プロジェクトが、山形県山形市で21年2月に竣工した総戸数171戸の「レーベン山形十日町 THE MID TOWER」だ。中心市街地(十日町)に位置し、雪国に住む人の重荷になる雪害対策を万全にするなど居住性を向上させて高い評価を得た。
一方、タカラレーベン西日本は、愛媛県松山市に本店、福岡市に本社を置く。同社エリアには岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市という政令指定都市があり、「ファミリーマンションの需要が多いのだが、東北と同じように高齢化が進むエリアもある」と手島芳貴代表取締役。例えば、海が見える高台に建つ住宅は風光明媚なのだが、「坂が多いため、運転免許証の返納後の生活を考えて、平地の利便性の高いマンションを検討するシニアが増えている」(手島氏)。
また、近年は集中豪雨による水害や南海トラフ地震といった災害不安から、「戸建てに比べて防災能力の高いマンションを購入するケースも目立つ」と言う。