- ●ホリデーシーズン(年末商戦)に向けた五つのポイント
- 1. サイトでのフリクションを解消することで、売り上げを最大化し、カート放棄を減らす
- 2. コロナ禍後の購買動向に合わせた在庫管理をする
- 3. パーソナライズされたホリデーインセンティブで顧客を引き込む
- 4. ホリデーシーズンに増加する不正行為への対策を検討する
- 5. トラフィック増加に備えてカスタマーサポートを強化する
取引にかかる時間が1秒増えると、コンバージョン率が7%低下
では、ペイパルe-bookから「今から準備すべき五つのポイント」について見ていこう。まずは「サイトでのフリクションを解消することで、売り上げを最大化し、カート放棄を減らす」ことだ。
この時期、消費者は忙しいため、スムーズに購入できないサイトはカート放棄のリスクが高まる。一般に一年を通してカート放棄が最も多いのが12月だ。買い手はより少ないクリック数で、よりスピーディーに取引を終えたいと思っている。実際、取引にかかる時間が1秒増えると、コンバージョン率が7%低下するという調査結果※4もある。
同時に、買い手はさまざまな決済方法から選択できることも望んでいる。アンケートに回答した消費者の51%が「決済の選択肢が多い小売業者を好む」と答えている※5。
従って、迅速で便利な取引を実現することが重要になる。そのソリューションの一つがオンライン決済サービスのペイパルだ。
ペイパルにアカウントを持つ売り手と買い手の間ではIDとパスワードだけで決済が行えるようになるため、支払いに必要なクリック数を最小限に抑え、シームレスな決済を実現できる。アカウント一つで、クレジットカードや銀行口座、デビットカードなどさまざまな決済方法に対応が可能。販売地域にかかわらず決済を簡素化できるため、越境ECにも最適だ。
※4 Trinity、Page Speed and Decreased Conversion Rates: 2019 Statistics、2019年。
※5 Business Insider、How retail companies are reducing friction in online and offline transactions、2021年5月26日。
二つ目は「コロナ禍後の購買動向に合わせた在庫管理をする」こと。
ここにきて消費カテゴリーは変化し、ウェルネスやスポーツ、フィットネス、アウトドアの売り上げが伸びている。実際、米国のスポーツ用品店は21年3月に最も売り上げが伸び、前月比で23.5%増加※6。また、ファッションや高級品の売り上げが増加に転じた。多くの消費者は新しい衣類を買い、在宅用の部屋着から消費をシフトしようとしている。
こうした好みの変化をいち早く察知して、ホリデーシーズンとそれ以降の在庫管理を最適化していくことが必要だ。そのためには、属性データなどで顧客を分類するオーディエンスセグメンテーションに基づいたキャンペーンの比較検証、消費者の行動分析などによって顧客ニーズを理解することが欠かせない。
※6 CNBC、The Post-pandemic Spending Spree Has Begun. Here are 6 Things Americans Are Buying、 2021年4月18日。
パーソナライズされた購買体験を提供する
三つ目は「パーソナライズされたホリデーインセンティブで顧客を引き込む」こと。
ホリデーシーズンは顧客とのエンゲージメントを深める絶好の機会だ。買い物客の購買意欲が通常より高まっているところに、パーソナライズされたギフトの提案などで気分を盛り上げれば、長期的なロイヤルティーをもたらす個人的なつながりをつくることができる。
実際、消費者の60%は「ある店舗でパーソナライズされた購買体験をしたら、その店舗のリピーターになると思う」と答えている※7。このため、ホリデーシーズン前にできる限り、ユーザーのインサイトを集めることが重要になる。顧客のことをよく知ることがキャンペーンの成功につながるからだ。
ウェブサイトは、パーソナライズを行うための強力なプラットフォームとなる。顧客データを活用して、お勧めの商品をカスタマイズしたり、サイトを訪問した顧客を再ターゲティングしたりすることが売り上げ増につながる。ソーシャルメディアを利用して特定のセグメントをターゲットにしたり、検索広告を利用して自社の商品やサービスに関心のある消費者を探したりするアプローチも有効だ。
忙しいショッピングシーズン前に、オンラインショッピング体験をあらかじめテストしておくことも大切。例えば、顧客が探しているものを簡単に見つけられるか、サイトに分かりにくい点がないかなど、画面構成や検索機能、決済など全ての面において問題点や不具合がないかを確認しておきたい。
※7 Twilio Segment、State of Personalization Report for 2021、2021年。