今、世界では、持続可能な社会の実現が重視されSDGsの取り組みが進んでいる。長い歴史と伝統を持つ駒澤大学でも各学部でサステナブルな未来に向けて研究を進めている。駒澤大学の“今”を紹介する連載の最終回は、文学部地理学科と経営学部市場戦略学科の学びを紹介する。
![第4回:持続可能な社会の実現に向けてサステナブルな未来を見据える人材を育成](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/300/img_b7d5fa0d7e2660b69f7df533cbdd03fe383431.jpg)
昨年サロマ湖の話題で、人気TV番組「ブラタモリ」の制作に協力した文学部地理学科の平井幸弘教授。平井教授の研究分野は自然地理学と環境地形学、平たくいうと水辺の地形と環境問題だ。
「私の専門である地理学は、単に地形の研究だけでなく、その地域に住む人と自然の関わりを重視し、その地域の環境問題の解決を目指すものです。実際に現場に出掛け、人々の声を聞きながら、地域を俯瞰するフィールドワークが重要になっています」(平井教授)
Study Regionallyの
力を養う
平井教授の研究対象は、国内外の海跡湖(ラグーン)における環境問題。近年加速している地球温暖化による海面上昇の影響で、各地で深刻な被害が顕在化しており、サステナブルな適応策を検討することが急務になっている。
![第4回:持続可能な社会の実現に向けてサステナブルな未来を見据える人材を育成](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/500/img_710d99ed4c3b2f78070d131087fb6746278423.jpg)
これまでに行った代表的なフィールドワークの一つに、ベトナム中部のタムジャンラグーンがある。そこでは1999年の大水害後に海岸浸食が発生、今後の海面上昇によって厳しい状況になることが予想された。平井教授は2012年にフエ農林大学に1年間滞在し、具体的な適応策を検討するため、地形分類をベースにした海面上昇影響評価図を作成した。