オーデマ ピゲが世界中のビジネスパーソンに支持される理由

環境に優しいミュージアムと新工房が2020年にオープン

ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ。スパイラル状のパビリオンは延べ面積2500平方メートル

 ロイヤル オークもCODE 11.59も、文字盤やケース、ストラップ、メカニズムのバリエーションが今後ますます充実していくことでしょう。“鮮度ある定番”であり続け、複雑時計たちは芸術品的な価値も持つ“アートピース”となりそうです。でも先ほど話が出たように品薄とのことで……。

 このクラスの商品、歴史や文化を背負っている品物ってそもそも、オーダーして楽しみに待って手に入れるものなんです。ウェブや雑誌に載っているからといって、すぐに買えるとは限らない。「届きました!」の連絡を待ってようやく自分のものにする価値ある逸品だと理解してほしいですね。

 所有する満足感が得られて、毎日身に着けられて、きちんとメンテナンスすれば一生使えるのは腕時計くらいでしょうか。そもそも不動産は高価だし、クルマは走行距離を重ねると残念ながら価値は落ちていくことがほとんど。特に男性にとっては、堂々と身に着けられる唯一のアクセサリーですし。

 そうですね。高級スーツや靴、今どきのクルマ、家電は消耗する。スマートフォンやデジタルカメラに今まで通算いくら費やしてきたか、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。機械式腕時計って持続可能性が高い。サステナブルなんです。モノを大切にする意識を持っているかどうか、もアピールできる。そういえば、オーデマ ピゲの理念は「ル・ブラッシュの自然が生みだし、人とともに生きていく」でした。

 20年6月にオープンしたミュージアム「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」は、ブランド最古の建物に隣接し、エコロジーと健康管理についてのスイスの「ミネルギー基準(スイスの省エネルギー建築に関する認証制度)」が求める建築水準を満たしています。周囲の森林や牧草地などの自然環境を最大限考慮した造りになっており、ミュゼ内の時計工房部分を含め、熱効率がとても高いそうです。

曲面を描くガラスが鋼鉄の屋根を支える。天井には植栽がある
ミュゼの内部。300本以上の時計を展示している

 スパイラル状の建物の外表面に沿って設置された、メッシュ状の真ちゅうが光と温度を調節し、植栽が覆うルーフは水分吸収と温度調節の役割を果たします。また、オーデマ ピゲ財団は森林保全の一環として、“ザイフリボクの木”を敷地内に2年間植え続けるのだとか。

司会兼本文まとめ担当の編集記者が写真左脇の数藤。『ENGINE』『地球の歩き方』編集部でのスイス取材も含め、スイス渡航歴30回以上。オーデマ ピゲの工房も数回取材している

 環境意識が高いメゾンなんです。オーデマ ピゲは昔から関連会社に「先端科学研究所」を持っていたり、AP ルノ・エ・パピを傘下に置いたりして“伝統と先進性の融合”を重視しています。あ、今思い出しましたが、2009年に増設された工房「マニュファクチュール・デ・フォルジュ」の近くには、5スイスフランとSSのロイヤル オーク、新工房竣工のプレスリリースを収めたタイムカプセルが埋まっているんですよ。

 エピソードに事欠きませんね。時計への愛を感じますし、夢がある。オーデマ ピゲ人気は持続することでしょう。コロナ禍でまだ訪問できていませんが、ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ、早く行ってみたいです。

●問い合わせ先
オーデマ ピゲ ジャパン株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座6-5-13
TEL:03-6830-0000
URL:https://www.audemarspiguet.com
日本特別コンテンツ:https://borninlebrassus.audemarspiguet.com

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03-6830-0000
https://www.audemarspiguet.com
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