光触媒技術は、
空気中のウイルスや菌を分解する
ヒット商品となったパーソナル空間除菌・脱臭機の「MY AIR」。カルテック独自の光触媒技術で、空気中の悪臭成分や有害物質、ウイルスなどを分解し、キレイな空気へと浄化する
カルテックでは、光触媒技術を製品化するため、まずユニットモジュールの開発を行った。光に関しては、従来の光触媒技術と違って紫外線を使わず、光触媒と青色発光LEDを組み合わせ、製品の小型化と長寿命化を図った。
創業1年目は、携帯型空気清浄機と冷蔵庫用除菌・脱臭機のOEM製品を作り、創業2年目から自社ブランド製品の販売をスタートした。現在ラインアップされている製品には、壁掛けタイプ、大空間タイプ、首掛けタイプの他、電球タイプのものがある。主力製品の壁掛けタイプの構造は、光触媒フィルターに対して空気の流れを水平にすることで、キレイな空気へと浄化する“サイドフロー構造”などを採用。軽くて薄い“ノイズレスデザイン”を実現している。
製品の中では、特に首掛けタイプのパーソナル除菌・脱臭機「MY AIR」がヒット商品になった。これは光触媒フィルターとファンを組み合わせたもので、汚れた空気を浄化する装置。人が1分間に呼吸する空気の量(約7㍑)が顔の周りにたまるように風量が設定されている。昨年10月に発売して以来、累計出荷台数は25万台を超えるヒット商品になった。
創業して3年でブランド力も無いカルテックが世の中で知られるようになったのが、光触媒による新型コロナウイルスへの効果検証だ。理化学研究所の協力の下、日本大学医学部との共同研究により、カルテックの光触媒技術で、一定空間に浮遊する新型コロナウイルスの感染症を検出限界以下まで消失させることに成功したのだ(※)。
さらに驚くべき実証が行われた。この光触媒除菌・脱臭機を日大板橋病院の複数の病室に設定したところ、感染抑制の効果が期待できる結果が得られたのだ。「病院や介護施設などに貢献できる」と、染井社長は光触媒技術の強みを説明する。
※2021年5月、スイスの出版社が発行する学会誌「Viruses」に研究結果が発表された。