新規顧客でも一定の信用力があるため
安心して取引が開始できる
企業間取引加盟店になるメリットはまだあった。アメリカン・エキスプレスのカードの顧客は厳しい信用調査をパスした優良顧客だ。「そのため、
一方で、懸念もあった。
「会社からは、カード手数料がかかることを指摘されました。それまで銀行振り込みで決済していたお客さまもカード決済に切り替える可能性があり、手数料相当分が減収になるからです。しかし、それを補う以上の送客が期待できること、送客に関しては手数料がかからないことを会社に説明して了承してもらいました」(金子次長)。
想定以上の新規顧客の送客数と
幅広い業種の顧客に驚く
同社は2019年にアメリカン・エキスプレス企業間取引加盟店になった。金子次長は、それだけで新規顧客が獲得できるとは思っていなかった。
「ほとんどのお客さまは、付き合いのある広告代理店を持っています。当社に切り替えていただくためには、『支払いにカードが使えます』だけでは弱い。そこで、アメリカン・エキスプレスの営業担当向けに、ニーズが高く売りやすい『SEOコンテンツパック』という商品などを作り、どんな内容で、当社がどんなことができるのか、説明のために全国を回りました。各地の支社も含めて、名刺交換させていただいたのは主要メンバーで約100名。こんなに大勢の方々が営業担当として動いてくれているのは心強いですね」
その結果、初年度から手数料分の減収は送客でカバーでき、3年が経過した今も送客の約束は期待以上に守られているという。アメリカン・エキスプレス経由の相談件数は何百件という数になり、成約した案件も加盟店になってから100件を超えた。
もちろん送客手数料はかからない。同社の売り上げが拡大すればカード決済金額が増えて、アメリカン・エキスプレスが得る手数料も増えるWin-Winの関係だからだ。
顧客の業種も多様になった。神社仏閣のような宗教法人や会計士、税理士、社労士といった士業……。「当社が想定していなかった未開拓の業種なので驚かされました。しかも、士業の方々は顧客にとどまらず当社の代理店になってくださいます。当社の代理店はウェブ関連が主だったので、顧客の裾野が大きく広がりました」。