年功序列を完全に
排除した人事制度
同社が求める人材は、自律・スピード・挑戦・チーム、そして成果の五つで構成された「人材ビジョン」に示されていると中井社長は説明する。
「当然、新卒入社する人たちは、この人材ビジョンのポテンシャルを感じさせる社員です。また、新しい取り組みを楽しんで没頭できる新卒社員が多いと思います。例えば、当社のコアコンピタンス(会社の強み)である与信を担う部署には、1~3年目の新卒社員が配属されており、AIを活用したデータ分析やモデリングを楽しんでいますし、先輩が後輩を教えるといったサイクルが非常にうまくいっています」
同社の人事制度は、年功序列を完全に排除したものとなっており、挑戦を続け成果を上げている社員には若いうちから大きな裁量権が与えられることも特徴の一つ。「KDDIという大企業のアセットをベンチャー的な当社で活用して、新しいことに挑戦したいと考えている方とは、ぜひ一緒に働きたい」(中井社長)。
同社の成長はこの先も約束されている。既存事業のクレジットカード事業、ローン事業などには十分な成長余力がある上、グループ各社のデータを格納するデータベースを構築し、KDDIや同社が属する金融グループのauフィナンシャルグループ全体の与信やマーケティングを担っていく計画も進んでいる。さらに、「信用供与力を生かした新規事業は幾つも検討しています」(中井社長)。
これら新規事業の数々も人々の生活を豊かにすることに貢献し、同社の成長エンジンとなるはずだ。
新人に大きな裁量を与え
自律的な成長を促す
べンチャー気質を持つauフィナンシャルサービスでは、中枢である与信を担う部署に1~3年目の新卒社員を配属する。そこでは新人であっても大きな裁量が与えられ、自由な発言の場が用意されている。
「新卒入社1年目であっても、『1人の社員』として自分の言葉で根拠を説明できる場があることに驚き、自分自身が導き出した結論が施策に直結することを実感しました」
自身の成長を実感する機会も多いという。充実した研修制度やOJT、上司・先輩のフォローを受けることで、「根拠を数字で持ち、可視化しながら議論を進められるようになったと感じています。入社後間もないときから、実践に関わり、短い在籍期間でも多くの経験を積むことができるため、新しい発見や意外な事実とたくさん出合いました。課題認識、考察といった部分も業務を通して先輩社員から教えていただきました」。
その結果、入社当初に比べ視野が広がり、物事を多角的に捉えることができるようになった――それが新卒社員たちの率直な声だ。
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