経営基盤をさらに強化。自由な発想で、新たなビジネスを創出する“ユーザー系”商社

阪和興業

独立系の商社である阪和興業は、2022年度までの第9次中期経営計画で、収益力と財務体質の両輪を強化、30年度の経常利益500億円という長期目標達成に挑んでいる。独立系故に、社員一人一人の意見を尊重。研修も強化し、若手から積極的に成長の機会を与えている。

経営基盤をさらに強化。自由な発想で、新たなビジネスを創出する“ユーザー系”商社阪和興業
中川洋一取締役専務執行役員

「商社には財閥系商社やメーカー系商社がありますが、当社は独立系。きめ細かな取引を大切にする“ユーザー系”商社です。後ろ盾がない分汗水流して新たな商売を開拓し、自分の足でしっかり立って歩いていく。それが当社のDNAであり強みでもあります」

 そう語るのは、中川洋一・取締役専務執行役員だ。

 1947年の設立以来、鉄鋼事業を中心に、金属、食品、エネルギー、生活資材、木材、機械などの分野で事業展開を行ってきた。現在、2022年度を最終年度とする第9次中期経営計画を推進している。具体的には「ESG、SDGsに根差した経営」をベースに「経営基盤の強化」「事業戦略の発展」「投資の収益化」を図っている。

 経営基盤の強化では、キャッシュフローを重視して、バランスシート・資本構成の最適化を目指す財務規律を追求。投資した事業からの“収穫”を進めながら、縮小均衡にならないように新たな成長に向けた投資も進めている。

 成長戦略では、内需が減少傾向にある鉄鋼事業への対策として、流通機能の拡充を重視した三語「即納、小口、加工」の頭をとって“そこか”戦略を全国的に展開、新規の取引先を積極的に開拓している。海外では「東南アジアに第二の阪和を」というスローガンを掲げ、現地の戦略的パートナーとの協業を強化して、地産地消型ビジネスモデルの拡大を目指している。

 また現在、カーボンニュートラルに向けて、自動車業界を中心に2次電池や燃料電池の市場が急拡大しているが、同社では時代を見越して20年以上も前から電池材料のビジネスに着手しており収益化に成功、さらなる拡大が期待されている。

 また、将来的な需要が見込まれる電池材料のリサイクル事業でも従来のノウハウを活かした取り組みを続けている。

 ESG、SDGsへの取り組みでは、各事業の核となるグローバルパートナーシップを通じて、気候変動や人権に配慮した「資源の産出」と「製造・加工」を実施、“サーキュラー・サプライチェーン・マネジメント”を実現していく考えだ。

「今は、第8次中計までに蒔いた種がちょうど芽を出してきたところ。その収益を得ながら、30年度の経常利益500億円の実現に向け、着実なスタートを切ったところです」と中川取締役専務執行役員は語る。

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